実家が空き家で困ったら?放置する前に知るべきリスクと対策

  • 「何年も誰も住んでいない実家があるんだけど、どうすればいいか分からない…」
  • 「親が高齢になって、そろそろ実家が空き家になりそう。事前に何かできることはないのかな?」

もしあなたが、このような不安を抱えているなら、こちらの記事を読んでいただければ少しはご不安を解消できるかもしれません。

空き家の不安を抱えているのはあなただけではありません。実家が空き家になることは、多くのご家庭が直面する、避けては通れない現実になってきております。

なぜなら、「これからの時代、10人に1人が空き家の問題を抱えるようになります。」

しかし、その不安と悩みを「そのうち何とかしよう」と放置してしまうと、想像もしない大きなトラブルや、経済的な負担が増えてしまう可能性があります。

ご両親との思い出が詰まった大切な実家が、「負の遺産」になる前に、適切な知識と対策で、安心を手に入れませんか?

これまでに数多くの空き家問題に直面し、その解決をサポートしてきた専門家として、あなたの不安を解消し、次のステップへ進むための具体的な情報をお届けします。


放置は絶対NG!空き家が引き起こす「負の側面」

【固定資産税が最大6倍に!?】特定空き家・管理不全空き家指定の現実

「遠方で、もう2年ぐらい放置しているけど、特に問題は起こってない」と思うかもしれませんが、空き家を放置することは、実は非常に大きなリスクを伴います。知らず知らずのうちに、あなたの大切な資産が「負の側面」を帯びてしまうかもしれません。

どんなに古くても、ボロボロでも建物が建っていれば、固定資産税の優遇がある」という話を聞いたことはありませんか? これは半分正解、半分間違いです。

基本的な考え方としては、「住宅用の建物が建っている土地」には、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が適用されます。 これは、更地(建物がない土地)よりも税金が安くなる理由の一つです。

しかし、どんな建物でも、どんな状態でも優遇が続くわけではありません。 特に空き家の場合には、この優遇が外れてしまうリスクがあります。

1. 住宅用地特例とは?

固定資産税は、土地と建物の両方にかかります。このうち、土地については、住宅が建っている場合に「住宅用地特例」が適用され、税金が大きく軽減されます。

  • 小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分):課税標準が6分の1に軽減されます。
  • 一般住宅用地(200平方メートルを超える部分):課税標準が3分の1に軽減されます。

これは、「人が住むための家屋が建っている土地」に対して、税負担を軽くすることで、居住を促進しようという目的の制度です。どんなに古い家でも、現に住宅として使われている(または使われうる)建物が建っていれば、この特例が適用され、更地よりも税金が安くなります。

2. 古い空き家でも優遇される場合

「どんなに古くても建物があれば固定資産税は優遇される」というのは、この住宅用地特例を指しています。たとえ築50年、60年の家で誰も住んでいなくても、「住宅」としての機能を保ち、行政から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されていなければ、基本的にはこの特例が適用され続けます。

実際に、空き家を解体して更地にしてしまうと、この特例が適用されなくなり、土地の固定資産税が3倍~6倍に跳ね上がるため、「空き家は解体しない方が税金が安い」と言われる理由にもなっています。

3. ただし、優遇が外れてしまうケース(非常に重要!)

ここが「誤解を含んでいる」部分です。以下の状態の空き家は、たとえ建物が残っていても、住宅用地特例の対象から外されてしまうと、固定資産税の優遇が受けられなくなります。

  • 「特定空き家」に指定された場合: 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、「倒壊等著しく保安上危険な状態」「著しく衛生上有害となるおそれのある状態」「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」などと判断され、自治体から「勧告」を受けた場合、住宅用地特例の対象から除外されます。
  • 「管理不全空き家」に指定された場合(2023年改正により追加): 特定空き家に至らないものの、適切な管理がされていないと判断された「管理不全空き家」も、勧告を受けると住宅用地特例の対象外となります。これにより、固定資産税が上がってしまう空き家の範囲が拡大しました。
  • 「住宅としての機能を喪失している」と判断された場合: 自治体によっては、建物が著しく老朽化し、屋根や壁がほとんどない、基礎が崩壊しているなど、もはや住宅としての機能を果たしているとは言えない状態と判断された場合、建物がないのと同等とみなされ、特例が適用されないことがあります。ただし、これは自治体の判断によります。
  • 取り壊しが前提になっている場合: 使用の見込みがなく、近いうちに取り壊しを予定しているような場合も、特例が適用されないことがあります。

4.指定されるとどうなる?

これらの条件に当てはまり、あなたの実家が自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されてしまうと、税金面でも大きな痛手となります。

  • 固定資産税が最大6倍に跳ね上がる! これまで住宅用地に適用されていた固定資産税の優遇措置が解除され、税負担が大幅に増えてしまいます。これは年間数十万円単位の負担増になることも珍しくありません。
実際、どれぐらいの差があるか計算してみます。

条件として、165㎡(約50坪)の土地に30坪の建物が建っており、税率は1.4%とします。㎡当たり10万円の固定資産評価とする場合の優遇ありなしの比較をします。

  • 「年間の土地(優遇あり)の固定資産税」
    165㎡×10万円÷6×1.4%=3万8,500円
  • 「年間の土地(優遇なし)の固定資産税」
    165㎡×10万円×1.4%=23万1,000円

あなたの負担は一気に増えることになってしまします。

関連記事→遠方実家が空き家…相続放棄で固定資産税は?知っておくべきこと

  • 最悪、強制解体&高額請求! 自治体からの改善勧告や命令に従わない場合、最終的に自治体が強制的に解体する**「行政代執行」**が行われることがあります。その解体費用は、すべて所有者であるあなたに請求されるのです。思い出の詰まった実家が、知らない間に壊され、高額な費用だけが残る…そんな悲しい事態は避けたいですよね。

松山市でも行政代執行された例があります。

実際の事例
行政代執行による危険な空き家の解体が完了しました
行政代執行による危険な空き家の解体が完了しました

2. 見えないところでお金がかかる「隠れコスト」

誰も住んでいない空き家でも、実は見えないところで経済的な負担が毎年発生しています。

  • 固定資産税・都市計画税: 当然ながら、毎年発生します。
  • 火災保険料: 万が一に備えるため、継続して支払いが必要です。
  • 電気・ガス・水道の基本料金: 使っていなくても、基本料金がかかり続けます。
  • 定期的な管理費: 庭の手入れ、清掃、郵便物の確認など、遠隔地にある場合は交通費や専門業者への依頼費用がかさみます。
  • 老朽化による修繕費: 雨漏りや給湯器の故障など、放置すると被害が拡大し、いざ手放そうとした時に莫大な修繕費用が必要になることも。

これらの「隠れコスト」は、積もり積もればかなりの額になります。「実家をどうしようか」と迷っている間にも、費用はずっと発生し続けていることを忘れてはいけません。

3. 思いがけない「賠償責任」とご近所トラブル

「まさか、うちの実家が?」と思うかもしれませんが、老朽化した空き家は、近隣に迷惑をかけ、あなたの賠償責任につながる危険をはらんでいます。

  • 建物の倒壊や破損: 強風や地震で屋根瓦が飛んだり、外壁が崩れたりして、通行人や近隣の家屋に損害を与えてしまうかもしれません。その場合、法律に基づき、所有者であるあなたが損害賠償責任を負うことになります。
  • 治安の悪化・不法投棄: 人の気配がない空き家は、空き巣や放火のターゲットになりやすく、また心ない人によるゴミの不法投棄場所になってしまうこともあります。
  • 害虫・異臭の発生: 庭の草木が伸び放題になり、シロアリやゴキブリ、ネズミなどの害虫が発生したり、建物から異臭が漂ったりして、ご近所との関係が悪化する原因にもなりかねません。

ご両親が大切にしてきた実家が、ご近所の迷惑になってしまうのは、避けたいですよね。


空き家問題、どうすればいい?解決への3つのステップ

「うちの実家も、もしかしたら危険な状態かも…」そう感じたなら、まずは落ち着いて、これからお話しする3つのステップを踏んでみましょう。漠然とした不安が、具体的な解決策へと変わっていくはずです。

ステップ1:まずは「現状」を把握する

空き家問題の解決は、ご自身の実家がどんな状態にあるのかを正確に把握することから始まります。

  • 建物の状態: 外壁にひび割れはないか? 雨漏りはしていないか? 庭は荒れていないか? 遠方に住んでいてなかなか見に行けない場合は、信頼できる近隣の方に頼んで見てもらうのも一つの手です。
  • 所有者の状況: 不動産の名義は誰になっていますか? 相続は済んでいますか? 複数人で共有している場合は、事前に話し合いが必要です。
  • 周辺環境と立地: 駅からの距離、周辺に何があるか、需要はありそうかなどを確認しましょう。
  • かかる費用を洗い出す: 固定資産税、火災保険料、管理費など、年間でどのくらい費用がかかっているのかを把握しましょう。

ステップ2:あなたの想いと選択肢を整理する

ご実家の現状を把握したら、次に「どうしたいか」というあなたの想いを整理しましょう。

  • 売却: 手放して現金化し、管理の負担から解放されたい。
  • 賃貸: 誰かに住んでもらい、家賃収入を得たい。
  • 活用: リノベーションしてカフェやシェアハウスにしたい、特定の人に貸したいなど。
  • 解体: 更地にして売却、あるいは駐車場として活用したい。

「でも、どれが良いのか分からない…」と悩む方もいるでしょう。その場合は、それぞれの選択肢のメリットとデメリット、そしてあなたの実家の状況に合った実現可能性を専門家と一緒に考えてみましょう。

ステップ3:専門家と共に具体的な行動に移す

ご自身の想いと選択肢が整理できたら、いよいよ具体的な行動に移す段階です。

  • 「相続登記」は済んでいますか? もし相続した実家の名義がまだ亡くなった方のままであれば、2024年4月1日から義務化された「相続登記」が必要です。これが済んでいないと、売却しようとしても手続きが進められないなど、後々大きな問題につながります。相続登記そのものの申請は司法書士の業務ですが、その前提となる戸籍の収集や遺産分割協議書の作成などは行政書士がサポートできます。
  • 不動産のプロに相談する 売却や賃貸を考えているなら、まずは不動産会社に相談し、査定をしてもらいましょう。複数の会社に査定を依頼することで、適正な価格や賃料が見えてきます。
  • 手続きのプロに相談する 「特定空き家に指定されないか不安」「相続の手続きがよく分からない」「どこに相談すればいいか迷っている」そんな時は、行政書士に相談してみましょう。

迷ったら専門家へ!村上行政書士事務所に相談する3つの大きなメリット

「空き家問題、どこに相談したらいいんだろう?」そう思ったら、まずは行政書士にご相談ください。私たち行政書士は、あなたの実家の状況を丁寧にヒアリングし、解決への第一歩をサポートします。

メリット1:複雑な行政手続きや法律の「わからない」を解消

空き家問題には、固定資産税、相続登記、特定空き家に関する行政からの連絡など、難しい専門用語や複雑な手続きがつきものです。当事務所では、これらの行政手続きや法律の専門家として、あなたの「わからない」を「わかる」に変えます。

  • 特定空き家に指定される基準や、解除のための条件を分かりやすく解説。
  • 相続した実家が未登記の場合のリスクと、その後の正しい手続きの流れをアドバイス。(※登記申請自体は司法書士の業務です)
  • 今後、行政から通知が来た場合の対応方法なども具体的にご案内します。

メリット2:あなたに合った「最適な解決策」を一緒に探せる

空き家の状況は、ご家庭によって千差万別です。行政書士は、画一的な答えではなく、あなたの実家の状況や、あなたの「こうしたい」という想いに寄り添い、最適な解決策を一緒に探します。

  • 「売却が良いのか、賃貸が良いのか、それとも別の活用方法があるのか?」
  • 「解体費用はどれくらいかかるのか? 補助金は使えるのか?」
  • 「遠方に住んでいて、なかなか実家を見に行けないんだけど、どう管理すればいい?」

このような具体的な疑問に対し、法的な観点や、これまでの経験に基づいた現実的なアドバイスを提供します。

メリット3:各専門家との「橋渡し役」として、あなたの負担を軽減

空き家問題は、不動産会社、税理士、司法書士、解体業者など、様々な専門家との連携が必要になる場合があります。あなたが個別にそれぞれの専門家を探し、何度も説明する手間は大変なものです。

行政書士は、そうした各専門家との連携をスムーズに行う「ハブ」の役割を果たすことができます。

  • あなたの状況に合わせた、信頼できる不動産会社や司法書士、税理士などをご紹介。
  • 各専門家への情報共有を円滑にし、あなたが何度も同じ説明をする手間を省きます。
  • 面倒な書類作成や、関係機関とのやり取りも代行・サポートし、あなたの時間と労力を節約します。

大切な実家を「負の遺産」にしないために。まずはご相談ください。

「実家をどうしようか…」という不安や悩みは、時間が経てば経つほど、より深刻になり、解決が困難になる可能性があります。

ご両親との思い出が詰まった大切な実家を「負の遺産」にしないためにも、そしてあなた自身が空き家問題から解放されるためにも、まずは一歩踏み出してみませんか?

「何から始めたらいいか分からない…」

「一人で考えるのはもう疲れた…」

そんなあなたの気持ちに寄り添い、具体的な解決策を一緒に見つけるお手伝いをさせてください。

当事務所では、空き家に関する無料相談を受け付けております。ご不明な点やご不安なことがあれば、どんな小さなことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

ご連絡お待ちしております
空き家の情報収集をしたい方へ

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