境界確認書とは何か?

境界確認書とは何か?土地所有者が知っておくべき基礎知識

土地の境界を明確にすることは、不動産を所有し活用する上での基本的な責務であり、将来のトラブルを未然に防ぎ、資産価値を最大化するために不可欠です。

境界確認書(または筆界確認書)は、この境界の位置を公的かつ私的に確定させたことを証明する文書であり、特に不動産取引や相続、開発を行う際に決定的な重要性を持ちます。

この記事では、境界確認書の法的定義から、松山市における具体的な手続き、そして土地所有者が直面する可能性のあるトラブルへの対処法に至るまで、今までの経験に基づき解説いたします。

目次

境界確認書とは何か?土地所有者が知っておきたい基礎知識

土地境界確認書の定義と役割を解説

境界確認書とは、自己所有地と隣接地の境界線の位置を現地で確認し、隣接地所有者との間でその位置について相互に合意した事実を証明する文書です。

この文書の最も重要な役割は、将来的な隣人とのトラブルを防止することにあります。例えば、新築住宅を建てる際や、土地の境界線上に塀や擁壁を設置する際、境界の位置が曖昧なままだと、双方の認識の齟齬から深刻な紛争に発展する可能性があります。

境界確認書は、こうした事態を避けるために、関係者全員が境界の位置を明確に認識し、書面で合意した証拠として機能します。

また、境界確認のプロセスで現地に設置される境界標(コンクリート杭、金属標など)の役割も極めて重要です。境界標は、境界点を物理的に特定し、長期間にわたってその位置を示すための永続的な目印になります。

木杭のように腐食や移動の可能性が高いものよりも、コンクリート杭や金属標など堅牢なものが推奨されます。

境界標が現地に存在することで、万が一、火災や地震、津波などの災害で建物や塀が破壊された場合でも、自己の土地の範囲を容易に特定でき、災害後の復旧支援や保険申請において決定的な役割を果たすことが期待されます。

境界の明確化は、単なる隣人との合意に留まらず、長期的な資産防衛戦略の一部になります。

境界確認書の必要性-なぜ今注目されるのか

境界確認書、およびその作成プロセスである確定測量は、不動産取引の安全性と土地の資産価値に直結するため、近年ますます注目されています。

まず、不動産取引の観点から見ると、境界が明確に確定している土地は、買主にとって購入リスクが極めて低くなります。

境界が未確定の土地は、将来的に隣人との間で境界紛争が発生する可能性を抱えており、これが不動産の担保評価や市場価値にネガティブな影響を与えます。したがって、境界確定済みの土地は、確定測量にかかる費用を上回る価格で、かつスムーズに売却できる可能性が高まります。

次に、相続および分筆登記の必須条件としての重要性があります。特に大きな土地を建売業者などに売却し、遺産分割を行う場合、購入後に土地を区割り(分筆)して再販するためには、確定測量が完了し、境界が確定していることが必須条件となります。

もし相続開始後に確定測量を始めると、相続税の申告期限(相続開始日の翌日から10カ月間)までに売却・分筆が間に合わず、想定していた金額よりも大幅に低い価格での処分を余儀なくされるリスクがあります。

したがって、相続対策として土地を保有している場合、早期に確定測量を行い、境界確認書を取得しておくことが強く推奨されます。

境界確認は、現在の土地利用だけでなく、将来の資産活用や円滑な世代交代を見据えた、戦略的な不動産管理の基盤となるのです。

土地所有者が知るべき法律的背景と関連する制度

土地の境界には、大きく分けて二つの法的側面があります。土地所有者は、この二つの概念を理解することが重要です。

  1. 公法上の筆界:不動産登記法に基づき、法務局が公的に定める土地の境界線です。これは国家が関与する公的な概念であり、土地の表題部(地番、地目、地積)を定めるための基礎となります。筆界は一度確定すると、土地所有者間の私的な合意だけで勝手に変更することはできません。
  2. 私法上の所有権の境界:民法に基づき、土地所有権が及ぶ範囲を示す境界線です。通常、この所有権の境界は筆界と同一ですが、歴史的な経緯、例えば土地の一部についての時効取得、売買による占有範囲の変動、あるいは過去の測量過誤などにより、筆界と所有権の境界が不一致になる場合があります。

これらの境界に関して争いが生じた場合、その解決の枠組みも異なります。

  • 境界(筆界)確定訴訟: 公的な筆界そのものの位置に争いがある場合の最終的な解決手段であり、裁判によって筆界の位置が決定されます。
  • 筆界特定制度: 裁判に至る前の紛争解決手段として、法務局の登記官が、関係者が提出する資料や筆界調査委員の意見に基づき、客観的に筆界の位置を特定する制度です。この制度自体に強制力はありませんが、公的機関による特定結果はその後の裁判手続きにおいて強力な証拠となり、紛争解決を促進します。
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境界確認書を取得し、公的な「筆界」を現地に正確に復元する能力を持つことは、長期的な資産防衛戦略において決定的な優位性を確保します。

境界標が物理的に確定していれば、万一係争事件に発展した場合でも、境界確認書や確定測量図という法律的かつ合理的な根拠となる原始資料があるため、訴訟費用や損害賠償などの無用な出費を防ぐことができるからです。

境界確認書の種類と特徴を理解しよう

境界に関する文書には、その作成目的や法的性質によっていくつかの種類があり、それぞれの違いを正確に理解しておくことが、不動産手続きを円滑に進める上で不可欠です。

境界確認書・境界確定書・筆界確認書の違い

書類名法的性質主な作成主体対象となる境界法的効力/目的
筆界確認書境界の専門家による測量に基づく私的合意契約書土地家屋調査士登記簿上の筆界 (公法上の境界)確定測量の完了証明、筆界の現地復元性の担保
境界確認書私的合意証明、または行政手続きの結果土地家屋調査士、行政(官民境界の場合)所有権の境界、または官民境界不動産取引の円滑化、隣人トラブル防止
境界確定書裁判所または法務局による公的な決定文書裁判所(訴訟)/ 法務局(筆界特定)登記簿上の筆界 (公法上の境界)紛争解決、法的に永続的な筆界の確定

筆界確認書は、土地家屋調査士が専門的な測量技術を用いて、登記簿上の筆界を現地に正確に復元した上で、隣接地所有者と境界の位置を確認し、その合意内容を記した文書です。

これは、測量技術に基づいた当事者間の契約書としての性質が強いため、後述するように実印と印鑑証明書を用いて厳格に交わされます。

境界確認書という言葉は、広義では筆界確認書を含むこともありますが、行政機関が関与する官民境界(市道、里道、水路などと民有地の境界)の確認手続きの結果として発行される文書を指す場合もあります。

境界確認書の様式やひな形について

境界確認書や筆界確認書は、文書本体と詳細な測量図面が一体となって初めて有効となります。一般的に、文書本体には、境界を確認した土地の所在地、地目、地積、および当事者の氏名、住所が記載され、合意した旨が明記されます。

文書の真正性を確保するため、文書本体と添付された測量図面(平面図、横断面図など)を合綴(袋とじ)し、その綴じ目に当事者全員および作成者(土地家屋調査士など)が割印を施すことが一般的です。

添付される測量図面には、境界点を将来にわたって正確に復元できるようにするための技術的な情報が厳格に要求されます。具体的には、以下の事項が必須です。

  1. 縮尺、方位、測量年月日。
  2. 境界点、引照点(測量の基準点)の座標数値(座標測量の場合)。
  3. 申請地の所在地、地番、隣接地・対面地の地番。
  4. 測量を行った土地家屋調査士または測量士の資格、氏名、押印。

特に、松山市道など官民境界の確認を行う場合、松山市の運用基準では、図面の縮尺(平面図は原則1:250以上、横断面図は原則1:50以上)に加え、里道は赤色、水路は青色、市道は黄色で色分けするなどの詳細な図面要件が定められており、これらの基準を満たさなければ申請は受理されません。

土地家屋調査士・法務局との関係と所管

境界確認のプロセスには、主に「技術的な測量・図面作成」「公的な記録・紛争解決」「行政手続き・権利関係の整備」という三つの専門領域が関わります。

  1. 土地家屋調査士(測量・登記の専門家):境界の専門家として、現地調査、測量、既存資料(公図、地積測量図)の分析を行い、筆界確認書や確定測量図の作成という技術的な核心業務を担います。彼らは専門の資機材を用い、境界点の座標を決定し、現地復元性のある測量結果を出します。
  2. 法務局(公的記録機関):不動産登記法に基づき、公的な筆界図面(地積測量図)を永久保存する機関です。法務局は、土地の公的な境界(筆界)に関する記録の信頼性を維持する役割を担います。また、境界紛争が発生した場合に、司法手続きを経ずに筆界の位置を公的に特定する「筆界特定制度」を所管しています。
  3. 行政書士(手続き・権利関係の専門家):特に松山市道など公共用地との境界確認を行う際(官民境界確認協議)、行政書士は、市役所(道路河川管理課)への複雑な申請手続きの代理人を務めます。この手続きには、登記名義人や相続人全員の権利関係を証明する膨大な書類(住所証明、相続資料など)の収集・作成が必要であり、行政書士は、これらの行政手続きと権利関係の整備を通じて、申請全体の適正性を担保します。

土地所有者にとって、測量技術を持つ土地家屋調査士と、複雑な行政手続きと権利関係の整備に強い行政書士の両方と連携することが、迅速かつ確実な境界確定を実現する鍵となります。当事務所は土地家屋調査士の先生と連携をして仕事をすすめております。

境界確認書の取得方法と実際の手続き

境界確認書を取得するためのプロセスは、隣接地が個人所有地(民民境界)であるか、あるいは松山市が管理する市道や水路(官民境界)であるかによって、その申請窓口と手続きの複雑さが大きく異なります。

境界確認書をどこで・どうやってもらえる?取得窓口と流れ

一般的な民民境界の確定測量においては、土地所有者が土地家屋調査士に業務を依頼することから始まります。

  1. 専門家への相談・資料調査: 土地家屋調査士が公図、登記簿謄本、地積測量図などの資料を法務局や市役所で収集し、現況測量を行います。
  2. 隣接者への立会い依頼: 調査結果に基づき、隣接地所有者に現地立会いを依頼し、境界の位置について説明と確認を行います。
  3. 合意文書の作成: 境界の位置について合意が得られた場合、筆界確認書(境界確認書)を作成し、署名・押印を行います。
  4. 法務局への登記(確定測量図の備え付け): 分筆登記や地積更正登記と同時に、確定した地積測量図を法務局に提出し、公的な記録として備え付けます。

一方、松山市道、里道、水路など、松山市が所管する公共用地と接する土地の境界確認を行う場合は、行政機関との「境界確認協議」が必要となります。この手続きの窓口は、松山市役所本館6階にある道路河川管理課です。

【松山市特化】官民境界確認協議の申請窓口と専門家への依頼

松山市の官民境界確認協議は、市が定める厳格な「事務取扱要領」と「運用基準」に基づき行われます。申請は市役所窓口または郵送に限られ、ファクス、電子メール、オンラインでの申請は認められていません。

行政書士による代理申請の重要性

松山市の運用基準では、申請地の登記名義人(土地所有者)だけでなく、行政書士が所有者に代わって申請手続きを行うことが明確に認められています。

松山市の境界確認手続きは、添付書類の要件が非常に細かく、少しの不備でも補正(修正・再提出)が求められ、手続きが長期化しやすい特性があります。例えば、公共事業に関連しない一般的な申請では、権利関係書類(所有権証明、住所証明、相続資料、法人謄本など)を運用基準に従って完璧に整備しなければなりません。

このような複雑な要件に対し、行政書士は、必要書類の収集・整備、図面要件の確認、そして市役所との協議対応を一手に引き受けることができます。

これにより、土地所有者は時間と労力を大幅に節約し、スムーズに境界確認を完了させることが可能となります。なお、境界確認協議にかかる費用(丈量図の作成費用、境界標の設置費用など)は、原則として申請人である土地所有者の負担となります。

作成から取得までに必要な書類・申請書・印鑑など

松山市における官民境界確認協議申請(境界確認協議申請書)の際には、申請書本体に加え、極めて詳細な添付書類が要求されます。

主要な添付書類要求される詳細と留意点
位置図住宅地図などを用い、申請地を明確に示す。
地図等法務局で取得した公図、または地図に準ずる図面。里道(赤)、水路(青)、市道(黄)を厳密に色分けする。
所有権を示す書類全部事項証明書、またはインターネット登記情報提供サービスで取得した全部事項情報。申請地および市有地(市道など)については常時提出必須。
住所証明書登記簿上の住所と現住所が異なる場合、戸籍の附票や住民票など、変更履歴が確認できる書類が必要。
相続資料登記名義人が死亡している場合、戸籍謄本、相続関係説明図など、相続人を証明する資料が必要。
地積測量図等申請地や隣接地の地積測量図が法務局に備え付けられている場合は提出必須。
委任状登記名義人以外の者が申請する場合(行政書士に依頼する場合など)は必須。

これらの書類は、行政書士が代理申請を行う際に、運用基準に適合しているかを厳密にチェックし、不備があれば補正対応を行うことで、手続きの停滞を防ぐ役割を担います。

現地立会い・調査・測量の流れとポイント

境界確認における現地立会いは、書面上の合意に至る前の最も重要なステップです。立会いには、土地所有者本人(またはその代理人)、隣接地所有者、測量担当者(土地家屋調査士)、そして官民境界の場合は市職員が出席します。

現地立会い時の土地所有者の確認事項

  1. 境界点の根拠の説明を受けること: 土地家屋調査士が提示する境界点は、単なる推測ではなく、公図、座標、過去の測量データといった根拠に基づいていなければなりません。所有者は、提示された境界点がなぜその位置にあるのか、根拠の説明を必ず受け、納得できるかを確認すべきです。
  2. 越境物の有無をチェックすること: 現地にブロック塀や擁壁、建物の軒先などの越境物がないかを確認します。越境物がある場合、境界の位置そのものとは別に、その越境状態の解消や利用継続に関する協議が必要となります。境界点を確認することと、越境物に関する取り決めは、分けて考える必要があります。
  3. 納得の上で署名・押印を行うこと: 境界点について疑義が残る、あるいは納得できない場合は、決してその場で署名・押印してはいけません。合意した境界に心から納得した場合のみ、署名押印を行うべきです。

土地家屋調査士への依頼手順と注意点

土地家屋調査士は、土地の広さや位置関係を明らかにするために、専門の資機材を用いた測量を行います。依頼手順は通常、お問い合わせから始まり、資料調査、現況測量、隣接者との立会い調整、最終的な測量図の作成・登記申請代理へと進みます。

注意すべきは、測量技術が土地家屋調査士の専門領域である一方、隣接者との交渉や、特に松山市の官民境界確認協議といった行政手続きにおいては、行政書士が強力なサポート役となる点です。土地の権利関係が複雑な場合や、行政機関との厳格な手続きが必要な場合は、両専門家の連携体制が整っている事務所に依頼することが、最も効率的で確実な方法となります。

印鑑(実印・認印・印鑑証明書)の必要性と押印時の注意

筆界確認書は、当事者間の合意内容を将来にわたり公的に担保する契約書としての性質を持つため、その押印には通常、実印の使用が求められます。

実印を使用することで、当事者が後日、「勘違い(錯誤)だった」として合意の無効を主張できる可能性を強く制限する法的意味合いを持ちます。

実印の押印に加え、その実印が本人のものであることを証明するため、必ず印鑑証明書(通常は発行から3カ月以内のもの)を添付する必要があります。たとえ実印が押されていたとしても、印鑑証明書がなければ、書類を見る第三者(買主や金融機関、法務局)がその真正性を判断できないからです。

押印の際には、相手方との間でトラブルを避けるために、筆界確認書と相手方の印鑑証明書を受け取ることを確認した上で、自身の印鑑証明書を渡すという慣行が一般的であり、注意が必要です。

拒否・トラブル時の対処法と未然防止策

境界確認手続きにおいて、最も大きな障害となるのが、隣接地所有者による立会いや押印の拒否です。境界確認は双方にとってメリットがあるはずですが、感情的な対立や将来への不安から拒否されるケースが少なくありません。

隣接地所有者の同意拒否や協議不成立時の対応策

隣接地所有者が立会い・押印を拒否する要因としては、「境界線の認識の相違」のほか、「隣の家が売却されると、自分の土地の利用価値が下がるのではないか」といった経済的な懸念が隠れていることもあります。

協議が不成立となった場合、まずは拒否の背景にある真の要因を特定し、行政書士や不動産会社を通じて、適切な解決策(例:売却後の隣地利用計画に関する合理的な説明)を提案することが重要です。

しかし、説得が功を奏さない場合、拒否され続けると土地取引や分筆登記が永久にできなくなるため、土地所有者は法的手続きへの移行を検討する必要があります。

拒否された側が取るべき法的手続き

  1. 筆界特定制度の利用: まずは、法務局に筆界特定制度の申請を行います。これは、法務局の登記官が客観的な資料に基づいて公的な筆界の位置を特定する制度であり、当事者の仲が相当悪い場合など、専門家が入っても調整がつかない状況で有効です。
  2. 境界確定訴訟: 筆界特定の結果にも当事者の一方または双方が納得しない場合、最終的に裁判所における境界確定訴訟によって解決を図ることになります。

隣接地所有者が拒否した場合のリスク

立会いや押印を拒否し続けた場合、境界確定が必要な相手方(申請人)は手続きを進めるために訴訟を起こす可能性が高くなります。

この場合、拒否した側は否応なく裁判に応じなければならず、無視すれば相手の主張が全面的に通り、自分にとって不利な境界線が法的に確定してしまうリスクがあります。

また、将来自分が土地の境界確定を必要とした際に、隣地所有者からの協力を得られなくなるという報復のリスクも生じます。したがって、立会いを拒否し続けることは、得策ではありません。

筆界特定制度や分筆登記による解決方法

筆界特定制度は、裁判と比較して費用や時間が少なく済むケースが多い、実務的な紛争解決手段です。登記官が筆界の位置を特定しますが、その結果自体に強制力はないため、確定した筆界に基づいて再度隣接者と交渉を行う、またはその結果を強力な証拠として境界確定訴訟に臨むという戦略的な利用が可能です。

また、土地の分筆登記を行うためには、境界が確定していることが大前提です。土地の一部売却や遺産分割のために分筆が必要な場合、隣接者が同意を拒否すると、この分筆登記が実行できず、結果として土地の活用や処分が停滞します。この事態を避けるためにも、筆界特定制度や訴訟によって公的な筆界を確定させることが必要となります。

よくあるトラブル事例と未然に防ぐための注意点

境界確認でよく発生するトラブルとしては、登記簿上の地積と実際の測量面積の不一致、過去に設置されたブロック塀などの越境、そして相続発生による権利関係の複雑化が挙げられます。

特に相続が発生すると、隣接地所有者が複数名の相続人に分散し、全員からの同意を得ることが困難になることがあります。

未然に防ぐための注意点

  1. 徹底した事前調査の実施: 土地家屋調査士や行政書士に依頼し、公図、登記簿、地積測量図など、境界に関わる全ての資料を事前に収集・分析します。これにより、予期せぬ境界線の齟齬を事前に把握できます。
  2. 根拠に基づいた立会い交渉: 現地立会いでは、感情論ではなく、専門家が示した測量結果という法律的・科学的な根拠に基づいて交渉を進めるべきです。
  3. 専門家の多角的なサポート活用: 村上行政書士事務所のように、行政書士(手続き・権利関係)と宅地建物取引士(不動産取引・価格交渉)の知見を兼ね備えた専門家に依頼することで、隣接者の金銭的な懸念(価値低下など)にも合理的な解決策を提供し、協議を円滑に進めることが可能です。

境界確認書の効力・メリット・デメリット

境界確認書は、単なる紙切れではなく、土地所有者に対し多大な法的・経済的なメリットをもたらす重要な財産証拠となります。

境界確認書の効力と法的根拠・登記との関係

確定測量に基づいて作成され、隣接者全員との合意を得た境界確認書は、その境界の位置について当事者間で争いがないことを公的に証明する強力な証拠となります。

この文書は、確定測量図(地積測量図)を法務局に備え付けるための基礎資料ともなり、公的な登記記録に筆界の位置が明確に反映されることになります。

これにより、土地の登記情報としての信頼性が高まり、将来にわたって境界の位置が曖昧になることを防ぎます。一度境界が明確になれば、その後の不動産取引や担保設定において、境界に関する疑義が生じることはなくなります。

土地取引・相続・登記など不動産手続きでのメリット

境界確認書を取得し、確定測量を完了させることには、以下のような具体的メリットがあります。

  • 売却価格の最大化と取引の迅速化: 境界が確定している土地は、買主側のリスクがゼロになるため、市場における評価が向上し、未確定の土地と比較して高値で売却できる可能性が高まります。取引の際の境界トラブルに関する特約も不要となり、スムーズな契約締結が可能です。
  • 相続・分筆手続きの円滑化: 相続財産としての土地の正確な評価が可能となり、特に土地を分割して相続する(分筆)際や、大規模な土地を開発業者に売却する際の分筆登記を迅速かつ確実に行うことができます。
  • 係争リスクの回避: 境界が法律的、科学的に立証されているため、万一、境界に関する係争事件になった場合でも、確固たる根拠資料として有利に働き、不要な訴訟費用や損害賠償といった費用支出を回避できます。
  • 災害時における復旧支援: 境界標が設置されていることで、火災や水害などで地形が変わった後でも、自分の土地の範囲を正確に探り出すことができ、復旧支援や保険申請の手続きが円滑になります。

境界確認書取得のデメリットや注意点

境界確認書を取得する上での唯一のデメリットは、確定測量や専門家への依頼にかかる初期投資(費用と時間)が発生することです。特に隣接者との協議や松山市役所との手続きが長期化する場合、時間的なコストも大きくなります。

しかし、この初期投資は、将来的な売却価格の向上、相続時の円滑な手続き、そして係争リスクの回避という長期的なメリットを考えれば、土地という重要な資産を守るための必要不可欠な戦略的投資であると評価すべきです。

境界確認書の保存・管理方法と将来のためのポイント

境界確認書は、土地の根幹的な情報を示す文書であり、その重要性は権利証にも匹敵します。一度確定させた境界情報は、半永久的に利用されるべきものです。

保存期間・ファイル管理のコツと紛失時の対処

境界確認書そのものの保存期間に法的な定めはありませんが、土地の所有権が続く限り、永久に保存することが強く推奨されます。

公的記録による担保: 仮に境界確認書(筆界確認書)を紛失してしまった場合でも、その根拠となった地積測量図は、法務局において永久保存の対象となっています。

したがって、法務局に地積測量図が備え付けられていれば、その写しを取得することで、境界の測量データ自体は復元可能です。

管理のコツ:

土地の権利証、登記識別情報、売買契約書、相続資料など、他の不動産に関する重要書類と共に、施錠可能な耐火性のキャビネットなどに一元的に保管することが望ましいです。また、万一の災害や紛失に備え、スキャンしてデジタルデータとしてクラウドや外部ストレージにバックアップを取ることも有効です。

境界確認書の提出先・利用場面と書類の扱い

境界確認書が最も活用される場面は、以下の通りです。

  1. 土地の売却・購入時: 境界が確定していることの証拠として買主に提示し、取引の安全性を保証します。
  2. 金融機関への担保提供時: 担保評価の前提として、境界確定済みの測量図が必要とされる場合があります。
  3. 建築申請時: 新しい建物を建てる際の確認申請や、塀・擁壁の設置に伴い、境界の確認を求められる場合があります。
  4. 相続時の土地評価・遺産分割時: 相続税の申告や、土地の公平な分割(分筆)を行うための基礎資料となります。

境界確認書は、現在の所有者だけでなく、将来土地を引き継ぐ相続人にとっても、土地を円滑に活用・処分できるようにするための重要な引き継ぎ書類です。土地所有者は、相続が発生する前に権利関係を整理し、これらの重要書類の所在を相続人に明確に伝えておく責任があります。

まとめ|土地所有者が知っておくべきポイントと安心の取引のために

境界確認は、単なる行政手続きではなく、土地を健全な資産として次世代に引き継ぐための基盤整備です。境界確認書を取得することは、隣人との信頼関係を維持し、将来的な紛争リスクを排除する最も効果的な手段です。

土地所有者が知っておくべき最も重要なポイントは、以下の二点です。

  1. 境界の確定は売却価値の最大化に直結する投資である: 特に相続や分筆を伴う大規模な取引においては、境界確定が前提となります。未確定の土地は市場評価が下がるため、早期に確定測量を行うことが、資産価値を最大限に高めるための戦略的行動です。
  2. 松山市の官民境界確認は専門的な代理が必須である: 松山市道、里道、水路など公共用地との境界確認協議は、市役所道路河川管理課が所管し、非常に厳格な運用基準(図面の色分け、縮尺、権利関係書類の完全性など)が定められています。これらの複雑な行政手続きを、土地所有者自身が行うことは大きな負担を伴います。

村上行政書士事務所は、土地家屋調査士と連携して、松山市や松前町、伊予市などの官民境界確認協議の代理を確実に行ってまいります。また、宅地建物取引士の資格を活かし、境界確定が不動産取引や売却価格に与える影響を深く理解しています。さらに、認定空き家再生診断士の視点から、相続後の土地活用まで見据えた最適な戦略を提案いたします。

松山市で不動産活用を見据えた境界確認が必要な際は、行政手続き、不動産取引、資産活用に強い複合的な専門知識を持つ村上行政書士事務所にご相談ください。土地家屋調査士と共に確実で安心できる土地の境界確定をサポートいたします。

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