相続不動産の名義変更費用とトラブル回避術

空き家を相続したら?相続不動産の名義変更の費用とトラブル回避術

この記事で解説する「相続登記」は司法書士の独占業務です。

当事務所は行政書士、宅地建物取引士、認定空き家再生診断士として、登記に関するご相談・登記手続きそのものは行えませんが、相続人調査や遺産分割協議書の作成といった関連業務を通じて、手続きを円滑に進めるためのサポートを行います。

相続登記は提携の司法書士と連携して対応いたしますので、ご安心ください。

亡くなった親から実家を相続することになったけれど、何から手をつければいいのか分からない

不動産の名義変更が必要だというけれど、費用はどのくらいかかるの?

松山市でも、親から空き家を相続するケースが増えています。相続した不動産を放置していると、後々大きなトラブルに発展することも少なくありません。

特に、法律の改正で「相続登記の義務化」が始まる今、早めの対応が重要です。

この記事では、相続した空き家や不動産の名義変更(相続登記)について、費用や手続きの流れ、よくあるトラブル、そして専門家への依頼のポイントまで、わかりやすく解説します。


目次

空き家を相続したときにまず知っておきたいポイント

相続登記の複雑な書類を前に頭を抱える人の手元。

相続した空き家は、ご自身にとって大きな資産であると同時に、手続きや管理の負担、そして将来的なトラブルの種になる可能性も秘めています。まずは、名義変更に関する基本を押さえておきましょう。

不動産の相続と名義変更の違いをわかりやすく解説

相続」とは、亡くなった方(被相続人)の財産や権利義務を、その相続人が引き継ぐことを指します。不動産の場合、被相続人が亡くなった時点で、その不動産の所有権は自動的に相続人に移転します。

一方、「名義変更」とは、法務局に備え付けられている登記簿の名義を、亡くなった方から相続人の名前に書き換える手続きのことです。

これを「相続登記」と呼びます。所有権はすでに相続人に移っているものの、この相続登記を行わないと、その不動産が「誰の所有物であるか」を第三者に証明することができません。

登記や手続きは放置してはいけない理由

相続登記を放置してしまうと、以下のようなリスクが発生します。

  • 売却や担保設定ができない: 名義が亡くなった方のままでは、その不動産を売却したり、金融機関から融資を受ける際の担保にしたりすることができません。
  • さらに次の相続が発生: 登記を放置している間に相続人の方が亡くなると、さらに複雑な相続関係が発生し、手続きが非常に煩雑になります。
  • 相続人同士のトラブル: 時間が経つと、誰が相続人であるかの証明が難しくなったり、遺産分割協議の内容を忘れてしまったりして、トラブルに発展する可能性があります。
  • 義務化による罰則の可能性: 令和6年4月1日から相続登記が義務化され、正当な理由なく期限内に登記をしなかった場合、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。

亡くなった親の土地名義変更が必要なケースと注意点

親が亡くなり、その名義の土地がある場合、基本的に名義変更(相続登記)は必要です。特に注意が必要なケースは以下の通りです。

  • 相続人が複数いる場合: 遺産分割協議を行い、誰がどの不動産を相続するかを明確にする必要があります。
  • 生前に贈与を受けていた場合: 相続財産には含まれませんが、生前贈与された不動産の名義変更手続きは別途必要です。
  • 権利関係が複雑な場合: 複数の相続人がいたり、共有名義の土地だったりする場合、手続きが煩雑になります。

不動産相続の流れと名義変更の全体像

無数の道が書かれた地図を広げた手。

相続が発生してから名義変更が完了するまでの流れを把握しておきましょう。

相続開始から名義変更までの具体的な手順

  1. 相続人の確定: 亡くなった方の戸籍謄本を遡って取得し、法定相続人を特定します。
  2. 相続財産の調査: 不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書を取得し、不動産の所有状況や価値を調査します。
  3. 遺産分割協議(必要な場合): 相続人が複数いる場合、誰がどの財産を相続するか話し合い、遺産分割協議書を作成します。
  4. 相続登記の必要書類収集: 戸籍謄本や印鑑証明書など、登記申請に必要な書類を全て揃えます。
  5. 法務局への申請: 申請書を作成し、必要書類とともに管轄の法務局に提出します。
  6. 登記完了: 申請が認められれば、登記簿の名義が相続人に書き換わります。

いつまでに手続きすべき?相続登記の義務化や期限

令和6年4月1日から、相続登記が義務化されました。

これは、相続で不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないという法律です。正当な理由なくこの期間を過ぎてしまうと、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。

また、遺産分割協議がまとまらない場合でも、「相続人申告登記」という制度を利用することで、まずは義務を履行することができます。

専門家(司法書士)への依頼か自分でやるかの判断ポイント

相続登記は、ご自身で手続きすることも可能です。しかし、以下のような場合は専門家(司法書士)に依頼することをお勧めします。

  • 仕事が忙しく、平日に役所や法務局に行く時間が取れない
  • 相続人が多く、戸籍謄本などの収集が大変そう
  • 遺産分割協議がなかなかまとまらない
  • 手続きに不備があり、やり直しになるのが不安
  • 手間や時間をかけずに、確実に手続きを完了させたい

司法書士は登記の専門家であり、複雑な手続きを代行してくれます。村上行政書士事務所では、司法書士の先生と連携しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。


名義変更の費用と相場~いくらかかるのか?

木目のテーブルの上で、電卓を叩く手。

不動産の名義変更にかかる費用は、大きく「実費」と「専門家への報酬」に分けられます。

不動産名義変更にかかる費用の内訳と目安

名義変更にかかる主な費用は以下の通りです。

  1. 登録免許税: 不動産の固定資産評価額に対して課せられる税金です。税率は原則として0.4%です。
  2. 必要書類の取得費用: 戸籍謄本(450円/通)、除籍謄本(750円/通)、住民票、固定資産評価証明書など。
  3. 司法書士への報酬: 登記手続きを代行してもらう場合にかかる費用です。

司法書士に依頼した場合の費用・報酬・プラン比較

司法書士事務所によって報酬体系は異なりますが、一般的な相場は5万円〜10万円程度です。

  • 基本報酬: 登記手続きの代行費用
  • 加算報酬: 相続人の数が多い、複数の不動産がある、遠方の不動産であるなど、手続きが複雑な場合に加算されます。
  • 実費: 登録免許税や書類取得費用は別途必要です。

【松山市の村上行政書士事務所の場合】 当事務所では、司法書士とお繋ぎし、お客様のご状況に応じた最適なプランをご提案します。まずは無料相談をご利用ください。

自分で名義変更する場合の実費・手数料・注意点

ご自身で手続きを行う場合、司法書士への報酬はかかりませんが、以下の費用は発生します。

  • 登録免許税: 登録免許税は必ず支払う必要があります。
  • 書類の取得費用: 各役所でかかる手数料です。
  • 交通費、郵送費: 役所や法務局への往復交通費、書類の郵送費用など。

ただし、ご自身で行う場合、書類の不備で何度も法務局に足を運ぶことになったり、手続きが遅れてしまうリスクがあります。司法書士に依頼することを強くおすすめします。

名義変更で30万円!?理由と費用が高額化する場合

名義変更の費用が30万円以上になるケースは、主に以下のような場合です。

  • 不動産の評価額が高い: 登録免許税は固定資産評価額に比例するため、評価額が数千万円以上になる場合、税額が数十万円になることがあります。
  • 相続人が非常に多い: 相続人の数に比例して、戸籍謄本の取得費用や、司法書士の報酬が加算されることがあります。
  • 手続きが複雑: 遺言書がない、遺産分割協議が難航しているなど、手間や時間がかかる場合です。

登録免許税・収入印紙・その他コストの詳細

  • 登録免許税: 登記申請書に収入印紙を貼付して納付します。
    • 計算式:固定資産評価額 × 0.4%
    • 例)評価額1,000万円の不動産の場合、1,000万円 × 0.4% = 4万円
  • 収入印紙: 登記申請書に貼付する印紙です。司法書士への報酬や書類の取得費用とは別の費用です。

必要書類と収集方法|不動産相続・名義変更で用意すべきものリスト

相続登記には、多くの書類が必要です。不備なくスムーズに手続きを進めるために、事前にリストアップしておきましょう。

必須書類:戸籍謄本、登記事項証明書、申請書…

ラベルが貼られたファイルやボックスに、整然と並べられた書類。

必ず用意する書類

  1. 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本: 相続人を確定させるために必要です。
  2. 被相続人の住民票除票または戸籍の附票: 登記簿上の住所と死亡時の住所が同一であることを証明します。
  3. 相続人全員の戸籍謄本: 相続人であることを証明します。
  4. 不動産を相続する方の住民票: 新しい所有者であることを証明します。
  5. 不動産の固定資産評価証明書: 登録免許税を計算するために必要です。
  6. 遺産分割協議書(遺言書がない場合): 相続人全員の実印が押印されたもの。
  7. 相続人全員の印鑑証明書: 遺産分割協議書に押印したものと同一である必要があります。
  8. 登記申請書: 法務局のホームページからダウンロードできます。

書類取得のコツと収集の手間・負担の見抜き方

戸籍謄本は本籍地のある市区町村役場で取得します。本籍地が遠方にある場合は、郵送での請求も可能です。

  • 手間・負担の多いケース:
    • 被相続人が何度も転居・転籍を繰り返している場合、戸籍を遡る作業が大変になります。
    • 相続人が全国各地に分散している場合、印鑑証明書の収集に時間がかかります。

法務局など手続き窓口・提出方法・郵送可否

登記申請は、不動産の所在地を管轄する法務局で行います。

  • 提出方法:
    • 窓口に持参
    • 郵送(簡易書留が推奨されます)

名義変更手続きにおけるトラブル・リスクと対策

相続登記の手続きは、親族間のトラブルに発展する可能性も秘めています。

何本ものロープが複雑に絡まり、手ではどうしようもなさそうな状態。

遺産分割協議がまとまらない場合の解決策

遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所での遺産分割調停や、弁護士を交えた話し合いを進める方法があります。また、義務化に対応するため、まずは相続人申告登記を行っておきましょう。

相続人が複数いる場合・持分の決め方と注意点

相続人が複数いる場合、原則として法定相続分に従って不動産を「共有」することになります。しかし、共有名義にすると、将来的に売却や管理を行う際に、共有者全員の同意が必要となり、トラブルの原因になることがあります。

共有ではなく、特定の相続人ひとりが不動産を相続し、他の相続人には代償金を支払う「代償分割」を検討するのも一つの方法です。

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名義変更を放置したままだと発生するリスク

先述の通り、名義変更を放置すると、売却や担保設定ができないだけでなく、次の相続が発生して権利関係が複雑になり、手続き費用も時間も余計にかかることになります。

相続放棄や離婚・生前贈与・売買が絡むケースの注意事項

  • 相続放棄: 相続放棄をした場合、その方は最初から相続人ではなかったとみなされるため、その方の分の相続財産は他の相続人に引き継がれます。
  • 離婚: 離婚した元配偶者は相続人にはなりません。
  • 生前贈与: 生前贈与された不動産は相続財産には含まれませんが、名義変更は必要です。

不動産相続名義変更の際によくあるQ&A・ケース別解説

相続税や固定資産税など発生する税金まとめ

  • 相続税: 相続した財産の総額が基礎控除額を超える場合に課せられます。
  • 固定資産税・都市計画税: 不動産を所有している限り、毎年課税されます。名義変更をしても、納税義務者は新しい所有者に移ります。

名義変更後に売却・管理を検討する場合のポイント

相続した空き家を売却したい、または賃貸に出して活用したい場合は、名義変更が必須です。村上行政書士事務所は、行政書士の資格だけでなく、宅地建物取引士の資格も保有しているため、売却や活用に関するご相談もワンストップで対応できます。

【認定空き家再生診断士の視点】 空き家の状態によっては、適切な管理や修繕を行うことで、資産価値を維持・向上させることが可能です。当事務所は認定空き家再生診断士として、空き家の有効活用についても専門的なアドバイスが可能です。

司法書士や専門家の選び方・比較のコツ

  • 実績と経験: 相続登記の実績が豊富か。
  • 費用体系: 料金が明確で、追加費用が発生しないか。
  • 相談のしやすさ: 質問に丁寧に答えてくれるか。

まとめ|空き家・不動産相続と名義変更における最重要ポイントと相談先案内

相続した空き家の名義変更は、単なる手続きではなく、将来のトラブルを未然に防ぎ、大切な資産を守るための重要なステップです。

【この記事の最重要ポイント】

  • 相続登記は義務化された! 3年以内に手続きを完了させる必要がある。
  • 費用は登録免許税が主で、不動産の評価額によって変動する。
  • 手続きには多くの書類が必要で、手間と時間がかかる。
  • トラブルを避けるためにも、早めの対応と専門家への相談が有効。

松山市で空き家を相続し、手続きに不安を抱えている方は、ぜひ一度村上行政書士事務所にご相談ください。

当事務所は、行政書士として相続手続きをサポートし、宅地建物取引士として不動産の売却や活用、そして認定空き家再生診断士として空き家の維持管理まで、一貫したサポートを提供いたします。

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