
神社へ行くべき?空き家の神棚を正しく処分する方法と費用
「実家が空き家になったけど、神棚がそのままになっている…」
「神棚を処分したいけど、バチが当たらないか不安…」
「どう処分したら良いか分からないし、費用も気になる…」
松山市にお住まいのあなたも、このようなお悩みを抱えていませんか?
空き家の整理を進める中で、特に心を悩ませるのが、ご先祖様が大切にしてきた神棚の処分ではないでしょうか。神棚は単なる飾り物ではなく、神様をお祀りする神聖な場所です。正しい方法で処分しないと、後々、後悔するのではないかと心配になるのも当然です。
この記事では、松山市で空き家業務を専門とする行政書士が、空き家の神棚を正しく処分する方法、かかる費用、利用できる業者、そしてよくある疑問まで、丁寧に解説します。
専門家として、皆様が安心して神棚を整理できるよう、正確で分かりやすい情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。
神棚を処分する理由とタイミング
まずは、なぜ神棚の処分が必要になるのか、そしていつ処分するのが適切なのかを見ていきましょう。

空き家の神棚をほったらかしにすることのリスク
空き家の神棚をそのまま放置してしまうと、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
- 精神的な負担: 空き家を片付けたいのに、神棚が残っていることで「どうしたらいいのか」という精神的な負担や、罪悪感が付きまといます。
- 物理的な劣化: 誰も手入れをしないと、神棚や神具が劣化したり、ホコリが積もったりします。これは神様にとっても失礼にあたると考えられます。
- 不用意な廃棄のリスク: 空き家の解体や売却を急ぐ中で、専門知識のない業者が不用意に処分してしまうリスクもあります。
- 相続時のトラブル: 親族間で神棚の扱いや処分方法について意見が分かれ、相続時のトラブルに発展するケースも考えられます。
神棚をやめる時はどのタイミングがベストか
神棚を処分するタイミングに厳密な決まりはありませんが、一般的には以下のような時期が考えられます。
- 空き家になった時: 誰も住まなくなり、神棚の手入れができなくなった時が、処分の良いタイミングです。
- 引っ越しや家の建て替え・解体時: 新しい住まいへの引っ越しや、家の解体を決めた際は、神棚を整理する絶好の機会です。
- 遺品整理・生前整理の際: 故人の遺品整理や、ご自身の生前整理の一環として、神棚の整理を検討する方も増えています。
- 節目となる時期: お正月や神棚の遷座(お引越し)の時期など、区切りの良いタイミングで考える方もいらっしゃいます。
実家の神棚を処分したい理由とは
多くの方が実家の神棚処分を考える理由は、以下のようなものです。
- 継承者の不在: 神棚を引き継ぐ人がいない、あるいは引き継いでも手入れが難しい。
- 管理の困難さ: 遠方に住んでいるため、頻繁に空き家を訪れて神棚の手入れをすることができない。
- 維持費や手間: 放置することでかかる維持費や、精神的な負担を軽減したい。
- 空き家活用の計画: 空き家を売却したり、賃貸に出したりする際に、神棚をどうすべきか迷っている。
ご自身の状況に合わせて、焦らず慎重に検討することが大切です。
空き家の神棚の処分方法
神棚の処分は、単に捨てるのではなく、適切な「神棚じまい」を行うことが重要です。
神棚じまいの方法と注意点
「神棚じまい」とは、神棚を撤去するにあたり、神様に感謝を伝え、役割を終えていただくための儀式的な行為を指します。

- お供え物の撤去: まず、お米、お水、お塩、お酒などのお供え物を下げます。
- 神具の片付け: 榊立、水玉、平瓮(へいし)、瓶子(へいし)、神鏡などの神具を片付けます。
- 神札(おふだ)の取り出し: 最も重要なのが、神棚に納められている神札を取り出すことです。神札は神様の分身と考えられているため、丁寧に扱います。
- 感謝の意を伝える: 神棚に向かって一礼し、これまでの感謝を伝えます。
注意点
- 神棚や神具は粗大ごみとして出せるものでも、そのまま捨ててしまって良いものではありません。
- 特に神札は、一般のごみと一緒にしないようにしましょう。
魂抜きと焚き上げの重要性
神棚を処分する際によく耳にするのが「魂抜き」や「焚き上げ」です。
- 魂抜き(お性根抜き・お焚き上げ供養): 神棚に宿る神様の魂(神様のお力)を抜き、天にお帰りいただくための儀式です。お寺で行う場合は「お性根抜き」、神社で行う場合は「お焚き上げ供養」や「お焚き上げ」と呼ばれ、神職や僧侶に執り行ってもらいます。これにより、神棚は単なる物に戻ると考えられています。
- 焚き上げ: 魂抜きを済ませた神棚や神具を、火によって浄化し、天に還す儀式です。多くの神社で「古神札焼納祭(こしんさつしょうのうさい)」として行われます。
必ずしも魂抜きや焚き上げが必要か? については、信仰の度合いや個人の考え方によりますが、神棚は神様を祀る神聖な場所であるため、粗末に扱わず、感謝の気持ちを込めて処分することが大切です。魂抜きや焚き上げを行うことで、心の整理がつき、安心して処分できる方が多いでしょう。
神社での返納と祈祷の流れ
神棚や神札を神社に返納する手順は以下の通りです。
- 神札の返納: 神棚に納めていた神札は、年末年始に古いお札を納める「古札納所」や「古神札受付」に持参します。初穂料(お気持ちで数百円〜千円程度)を添えるのが一般的です。
- 神棚・神具の持ち込み: 神棚本体や神具(陶器製など燃えないもの以外)は、受け付けてくれる神社とそうでない神社があります。事前に電話などで確認しましょう。
- 多くの神社では、お焚き上げの対象となります。
- 持ち込みの際は、白い布や紙で包むなど、丁寧に扱いましょう。
- 祈祷の依頼: 任意ですが、神棚じまいの際に「魂抜き」や「清め祓い」の祈祷を依頼することも可能です。神社によって「撤去清祓(てっきょきよはらい)」や「遷座祭(せんざさい)」として受け付けています。
- 祈祷料(初穂料)は、5千円〜3万円程度が相場ですが、神社や内容によって異なります。事前に確認しましょう。
松山市の神社について: 松山市内には多くの神社がありますが、全ての神社が神棚の処分を受け付けているわけではありません。地元の神社(氏神様)にまず相談してみるのが良いでしょう。事前に電話で問い合わせ、受付時間、持ち込み可能なもの、初穂料などについて確認することをお勧めします。
神棚処分の費用と業者選び
神棚の処分にかかる費用と、利用できるサービスについて解説します。
処分にかかる料金の相場
神棚の処分費用は、処分方法や依頼先によって大きく異なります。
- 神社へ返納・お焚き上げ:
- 神札のみ: 無料〜数百円(お気持ち)
- 神棚・神具: 5千円〜3万円程度(大きさや神社の規定による)
- 祈祷を依頼する場合: 5千円〜5万円程度
- 不用品回収業者・遺品整理業者:
- 神棚単体: 数千円〜1万円程度(サイズによる)
- 遺品整理の一部として: 業者全体の料金プランに含まれることが多い
- ※別途、魂抜きや供養を依頼する場合は、上記神社への依頼費用が加算されます。
- 仏壇・神棚専門業者:
- 魂抜きから引き取り、供養まで一貫して行ってくれるため、費用は高めになる傾向があります。数万円からになります。
自治体による回収サービスを利用する方法
基本的には、神棚本体をそのまま自治体の粗大ごみとして出すことは推奨されません。 神様をお祀りしていた神聖なものですので、魂抜きなどの適切な対応を経て、あくまで「粗大ごみ」として処分可能になるという考え方です。
手順
- まず神社などで魂抜きやお焚き上げ(形見納め)を済ませる。神棚が「ただの木製品」になったと考える。自治体の粗大ごみ収集のルールに従い、回収を申し込む。
- 松山市の場合、粗大ごみは戸別収集または清掃工場への直接持ち込みが可能です。サイズによって料金がかかります。
- 詳細については、松山市の公式ウェブサイトで粗大ごみの出し方を確認するか、清掃課に直接問い合わせましょう。
- 注意点: 魂抜きをしていない神棚をそのまま粗大ごみに出すことに抵抗を感じる方は多いです。信仰心や地域の慣習を尊重し、納得のいく方法を選びましょう。
不用品回収業者の選び方
神棚を含め、空き家全体の不用品を処分したい場合は、不用品回収業者や遺品整理業者も選択肢になります。
ポイント
- 許可の有無: 一般廃棄物収集運搬業許可など、必要な許可を持っている業者を選びましょう。無許可業者に依頼すると、不法投棄などのトラブルに巻き込まれる可能性があります。
- 見積もりの明瞭さ: 料金体系が明確で、追加料金が発生しないか事前に確認しましょう。
- 神棚の扱い: 神棚の処分について、供養や魂抜きに対応しているか、あるいは提携する寺社があるかを確認すると安心です。
- 実績と口コミ: 実際に利用した人の口コミや、過去の実績を参考にしましょう。
- 行政書士の視点: 遺品整理と合わせて法的な手続きが必要な場合もあります。当事務所のような行政書士事務所が提携している業者であれば、よりスムーズに連携できます。
神棚処分の手順と準備
実際に神棚を処分する際の具体的な手順と、そのための準備について解説します。
神棚を処分するための事前準備
- 家族・親族への相談: 神棚は家族共通のものですので、処分について事前に家族や親族と話し合い、合意を得ておくことが大切です。特に、引き継ぎたい人がいないか確認しましょう。
- 処分の方法の決定: 神社へ依頼するのか、不用品回収業者を利用するのか、自治体で粗大ごみとして出すのかなど、方針を決めます。
- 依頼先の選定と予約: 決定した方法に応じて、依頼先の神社や業者に連絡を取り、日時や費用などを確認し、予約します。特に神社での祈祷やお焚き上げは、日程が限られている場合があります。
- 神札・神具の確認: 神棚に何が納められているか、神具は何かを確認し、分別しておきます。
具体的な手順の解説
- 神棚じまいを行う
- お供え物を下げ、感謝を伝えます。
- 神札を丁寧に、白い紙や布で包んで取り出します。
- 神具を片付けます。
- 神札・神棚・神具の搬出
- 神札は、神社に持参する場合は大切に持ち運びます。
- 神棚本体や神具は、依頼する業者や神社に引き渡します。
- 魂抜き・お焚き上げ(必要に応じて)
- 神社で祈祷を依頼している場合は、その儀式に参列します。
- 古札納所などにお札を納めます。
- 清掃: 神棚があった場所をきれいに清掃します。
掃除とお供えの重要性
神棚を撤去する前には、心を込めて掃除を行い、最後のお供えをすることが重要です。
- 掃除: 神棚本体や周囲をきれいに拭き清めます。これにより、神様への感謝の気持ちを表し、神棚じまいの準備を整えます。
- 最後のお供え: 感謝の気持ちを込めて、お米、お水、お塩、お酒など、普段通りのお供えを捧げます。
これらは、神棚への敬意を表し、気持ち良く処分を進めるための大切なステップです。
神棚の処分後に気をつけること
神棚の処分が終わった後も、いくつかの注意点があります。
神具や神札の管理方法
- 神札: 新しい神棚を設ける場合は、新しい神棚にお祀りします。そうでない場合は、神社に返納するか、自宅で大切に保管(神棚と同様に丁寧に扱う)するかを検討しましょう。
- 神具: 陶器製や金属製の神具は、お清めした後、一般の不燃ごみとして処分できる場合もありますが、地域のルールに従いましょう。木製の神具は、神棚と一緒に神社でお焚き上げしてもらうのが理想です。
- 残ったスペース: 神棚があった場所は、空洞になることが多いです。新たな棚を設置したり、壁紙を張り替えたりするなど、空間を有効活用することを検討しましょう。
空き家の解体や売却に絡む注意点
- 解体前に必ず処分: 空き家を解体する場合、神棚は解体工事に着手する前に必ず処分を完了させておきましょう。解体業者に任せきりにすると、適切な処分がなされない可能性があります。
- 売却時の対応: 空き家を売却する場合、買主が神棚の存在を気にすることがあります。売却前に撤去しておくのが一般的です。もし残す場合は、契約前に買主と十分に話し合い、合意を得ておくことが重要です。
- 不動産表示: 不動産を売却する際に、神棚が残っていると表示に影響が出る場合もあります。宅地建物取引士として、適切なアドバイスをいたします。
相続時の神棚処分について
相続によって空き家となった実家に神棚が残されている場合、相続人全員で話し合い、合意形成が重要です。
- 遺産分割協議: 神棚は遺産とは異なりますが、その処分や管理を誰が行うか、費用をどうするかなどを遺産分割協議の場で話し合うとスムーズです。
- 名義変更と処分: 空き家の名義変更(相続登記)と合わせて、神棚の処分についても検討を進めると良いでしょう。
行政書士として、相続に関する法的な手続きのサポートも可能です。
神棚処分に関するよくある質問
神棚処分に関して、皆様からよくいただく質問についてお答えします。
「実家の神棚を処分したいのですが、どうすればいいですか?」
回答: まずはご家族・ご親族と相談し、処分の方針を決めましょう。基本的には、神札を神社に返納し、神棚本体は魂抜きやお焚き上げを依頼するのが丁寧な方法です。
その後、粗大ごみとして処分するか、不用品回収業者に依頼するかを検討します。当事務所にご相談いただければ、最適な方法をご提案し、サポートいたします。
「神棚を処分する時の必要な手続きは?」
回答: 法的な義務として決まった手続きはありませんが、神道における慣習として、神棚じまい、神札の返納、魂抜きやお焚き上げといった儀式的な対応を推奨します。
これらの手続きを適切に行うことで、心の整理もつき、安心して処分できます。
「供養や祈祷は必ず必要か?」
回答: 法律で義務付けられているわけではありません。しかし、神棚は神様をお祀りする神聖な場所であり、ご先祖様が大切にされてきたものです。
感謝の気持ちを込めて、魂抜きや供養の祈祷を行うことで、精神的な安心感を得られる方がほとんどです。ご自身の信仰心や気持ちを優先して判断されることをお勧めします。
神棚の処分に困ったら村上行政書士事務所へ
神棚の処分を通じて得られる安心感
神棚の処分は、多くの方にとって心に重くのしかかる問題かもしれません。しかし、適切な方法で丁寧に進めることで、長年の懸念が解消され、大きな安心感を得ることができます。それは、故人や神様への敬意を表し、未来へと気持ちを切り替えるための大切なプロセスです。
大切な儀式を見直す良い機会
空き家の神棚処分は、私たち日本人にとって古くから伝わる大切な儀式や信仰について見つめ直す良い機会でもあります。形式にとらわれすぎず、しかし感謝の気持ちを忘れずに、ご自身やご家族にとって最も納得のいく方法を選んでいきましょう。
我が家の神棚を正しく管理する重要性
今回の記事を通じて、神棚の適切な管理と処分の重要性をご理解いただけたでしょうか。今後、ご自宅に神棚を設ける際や、既存の神棚の管理についても、定期的な手入れや、将来を見据えた計画を立てていくことが大切です。
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空き家の神棚処分だけでなく、相続した空き家の有効活用、売却、解体、管理など、空き家に関するあらゆる問題に対応しております。
当事務所は、行政書士として法務手続きをサポートするだけでなく、宅地建物取引士として不動産の専門知識を提供し、さらに認定空き家再生診断士として空き家自体の問題解決にも貢献できます。
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