
【空き家対策】住まいのエンディングノートの書き方と必須項目
松山市にお住まいの皆様、大切なご自宅の将来について、漠然とした不安を抱えていませんか?「実家をどうしよう」「将来、空き家になったらどうなるんだろう」といったお悩みは、決して他人事ではありません。遠い未来の話だと感じていても、いざその時が来てから慌ててしまい、ご家族に大きな負担をかけてしまうケースは少なくありません。
現在、日本全国で空き家が増加し、社会問題となっています。特に松山市は空き家率が全国と比べて高くなっています。適切な管理がなされないまま放置された空き家は、資産価値の低下だけでなく、近隣住民の皆様の生活環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、倒壊や害虫発生により損害賠償や行政処分の対象となることもあります。こうした問題から大切なご家族と財産を守るためにも、早めの対策が何よりも重要です。
松山市で空き家専門の行政書士として活動する私が、国土交通省作成の資料も参考にしながら、皆様が安心して未来を迎えられるよう、「住まいのエンディングノート」の効果的な書き方と、必ず押さえておくべき重要項目を分かりやすく解説します。前回記事で「なぜエンディングノートが必要か」をお伝えしましたが、今回は実践編です。具体的に何を、どう書けばいいの?』と迷っている方のために、本記事では記入の手順と具体的な項目を詳しく解説します。
「住まいのエンディングノート」とは?
住まいのエンディングノート」とは、単に個人の思い出や希望を書き記すだけでなく、ご自身の不動産(土地・建物)や大切な財産を、将来どうしたいかという具体的な「意思」を整理し、何よりも大切なご家族と共有するための羅針盤となるツールです。この一冊があるだけで、ご自身の終活がスムーズに進むだけでなく、万が一の時にご家族が路頭に迷うことなく、円満に相続や空き家問題に対処できるようになります。未来への不安を減らし、今日からの毎日を安心して過ごすための一歩となるでしょう。
始める前に:書き方のポイント
「住まいのエンディングノート」には法的な拘束力はありません。しかし、ご自身の想いを最もストレートに伝え、ご家族が「あの時、こうしておけばよかった」と後悔しないための大切な道しるべとなります。肩の力を抜いて、以下のポイントを押さえながら、ご自身のペースで記入を進めてみましょう。
- 自由に、正直に書く:「こう書かなければいけない」という決まりはありません。ご自身の言葉で、率直な気持ちや希望を綴ることが何よりも大切です。「こんなことまで書いていいの?」と思うような些細なことでも、ご家族にとっては大きなヒントになることがあります。
- 写真や図を積極的に使う:文字だけでは伝わりにくいことも、写真や簡単な図を添えることで一目瞭然になります。特に不動産の場所や特徴、思い入れのある場所など、具体的に示せばご家族の理解も深まり、いざという時の手続きもスムーズに進みます。
- 定期的に見直す:人生の状況や気持ちは常に変化するものです。一度書いたら終わり、ではありません。年に一度など、定期的に見直す習慣をつけましょう。その都度、日付を記入し、最新の状態に保つことで、常に「今の自分」の最適な意思が反映されます。
- 家族と共有する:完成したら、大切なご家族に「ここにエンディングノートがあるよ」と場所を伝え、可能であれば内容についても一緒に話し合ってみましょう。ご自身の想いを直接伝えることで、ご家族も安心して受け止め、未来への準備を共に進めることができます。
- 【重要】専門家の助言を仰ぐ:不動産の評価や相続税、法的な手続きなど、複雑で専門的な知識が必要な部分については、無理に一人で抱え込まないでください。私たち行政書士をはじめ、司法書士、税理士などの専門家は、皆様の不安を解消し、適切なアドバイスを提供するために存在します。特に空き家に関するご心配があれば、ぜひ私にご相談ください。
「住まいのエンディングノート」に書くべき必須項目
それでは、「住まいのエンディングノート」に具体的にどのような項目を記入していくべきか、特に空き家対策の視点を強く意識しながら、皆様が「これなら書ける!」と感じていただけるよう、項目を一つずつ丁寧に解説します。
ご自身の基本情報とご家族について
ご自身の「今」を伝える大切なパートです。万が一の時、ご家族が混乱しないよう、基本的な情報を分かりやすくまとめておきましょう。
- 氏名、生年月日、住所などの個人情報
- 家族構成、連絡先(親族、友人、かかりつけ医など)
- 緊急連絡先
不動産(住まい・土地)の情報
ご自宅が将来、空き家になることを防ぎ、「負動産」とさせないために最も重要な項目です。ご家族が「この不動産はどうなっているんだろう?」と困らないよう、詳細を具体的に書き残しましょう。
- 所有する不動産の所在地、地番、家屋番号
- 登記簿謄本の有無、保管場所
- 固定資産税評価額、納税状況
- 住宅ローンなどの借入金の有無、残高、返済状況
- 管理状況(修繕履歴、リフォーム歴、メンテナンス業者など、引き継ぎたい情報すべて)
- 建物の状況(築年数、構造、耐震性など、売却や活用を考える上で重要な情報)
- 貴重な家財(骨董品、美術品など)や、処分したいもの(大型家具、家電など)のリストと、それらに関するご希望
住まいの将来に関する「意思」
ここが、将来の空き家問題を防ぐための核心です。「この家をどうしたいか」という具体的な想いを書き記すことで、ご家族は迷うことなく、皆様の意思を尊重した行動を取ることができます。
- 売却を希望する場合
- いつ頃売却したいか(例:高齢者施設入居後、相続発生後など)
- 希望する売却時期や価格帯
- 売却を依頼したい不動産会社があればその情報
- 「譲渡所得の3,000万円特別控除」などの特例が適用される可能性についても触れておくと、ご家族が専門家に相談する際のヒントになります。
- 松山市の「空き家バンク」の利用検討など、具体的な選択肢についても言及しましょう。
- 賃貸・活用を希望する場合
- どのような用途で貸したいか(居住用、事業用など)
- 希望する賃貸期間や賃料
- 利用したい制度(例:セーフティネット住宅制度、マイホーム借上げ制度など)
- リフォームの要否や、どんな人に住んでほしいかといった、具体的なイメージを伝えることで、ご家族が動かしやすくなります。
- 所有し続けることを希望する場合
- 誰が管理するのか(家族、行政書士など専門家、管理会社など具体的な候補)
- 定期的な見回りや清掃、換気などの具体的な管理方法
- 管理にかかる費用負担について、ご家族が困らないように明確にしておきましょう。
相続に関する情報
2024年4月1日からの相続登記義務化に伴い、この項目は法的な重要性を増しており、円滑な相続のために事前に情報を整理しておくことが、何よりもご家族への思いやりとなります。
- 遺言書の有無、保管場所、内容(もしあれば、その旨を明記)
- 相続人の確認と連絡先(関係性が複雑な場合も、ここで整理しておくと安心)
- 財産(預貯金、有価証券、貴金属など)のリストと詳細
- 負債(借金など)の有無と詳細
- 葬儀やお墓に関する希望(ご自身の最期の迎え方について、ご家族へのメッセージを)
- その他、遺産分割協議に関する希望や注意点
- 「法定相続情報証明制度」の利用検討など、ご家族が手続きをスムーズに進めるための情報も添えましょう。
その他の重要な情報
現代において、デジタルな情報も大切な財産であり、ご家族が困る原因になりがちです。また、大切なペットについても、最後まで責任を持ってケアできるよう希望を伝えましょう。
- デジタル遺産(SNSアカウント、ネット銀行、サブスクリプションサービスなどのID・パスワード、どのサービスを継続・解約してほしいかなど)アカウントにログインできずに、サービスの解約ができないことが増えています。サービス事業者も本人確認が取れないと、本人情報を教えてくれません。
- ペットを飼っている場合は、飼育に関する希望(誰に託したいか、その際の費用など)
- 加入している保険の情報(生命保険、医療保険、火災保険など)
よくあるご質問(Q&A)
ここでは、「住まいのエンディングノート」の具体的な書き方や項目についてよくいただくご質問にお答えします。皆さまの疑問を解消し、一歩踏み出すきっかけとなれば幸いです。
Q1:エンディングノートに法的効力はありますか?
A1:エンディングノートには、遺言書のような法的な効力はありません。しかし、ご自身の意思や希望を明確に伝えるための非常に重要なツールとして、ご家族が財産や住まいの管理・処分を行う際の大きな手助けとなります。法的な効力を持たせたい場合は、別途、遺言書の作成をご検討ください。
Q2:エンディングノートはいつ頃から書き始めるのが良いですか?
A2: 「終活」は「人生の終わり」を意識する活動ではなく、「これからの人生をよりよく生きるための活動」です。そのため、元気で判断能力がしっかりしているうちに、早めに書き始めることを強くお勧めします。一度書いたら終わりではなく、ご自身の状況や気持ちの変化に応じて定期的に見直し、更新していくことが何よりも大切です。
Q3:エンディングノートはどこで入手できますか?
A3:市販のエンディングノートが多数販売されており、書店や文具店、インターネットなどで手軽に購入できます。また、一部の自治体や金融機関、私たちのような専門家が独自のエンディングノートを提供している場合もありますので、ご自身に合ったものを選んでみてください。
Q4:松山市の空き家に関する相談は無料ですか?
A4:はい、当事務所では初回無料相談を実施しております。空き家に関するご不安やエンディングノートの書き方、相続対策など、どんな些細なことでも、まずはお気軽にご相談ください。LINEからもお問い合わせ可能ですので、お忙しい方でも安心してご利用いただけます。
村上行政書士事務所にできること
松山市で空き家を専門とする行政書士として、私は皆様の住まいに関する「もしも」に備え、円滑な手続きと心の安心をサポートいたします。
- 「住まいのエンディングノート」作成支援:ノートの記入方法から、必要な情報の収集、具体的な記載内容に至るまで、皆様の状況に合わせた丁寧なアドバイスをいたします。
- 相続対策のサポート:遺言書の作成に関するご相談はもちろん、相続発生時の複雑な手続きについても、一つひとつ分かりやすくご案内し、スムーズな解決を支援します。
- 空き家活用・処分のご相談:大切な空き家を「負動産」にしないために、売却、賃貸、解体など、お客様の状況とご希望に合わせた最適な選択肢を共に検討し、必要な手続きを全面的にサポートします。
- その他、空き家に関する各種手続き:空き家に関するご不明点やご不安なことがあれば、どんな些細なことでも、まずはお気軽にご相談ください。
「どこに相談したらいいの?」と迷われたら、まずは松山市役所の空き家担当課へご相談いただくか、空き家専門の村上行政書士事務所にご連絡ください。
大切な住まいを「負動産」にしないために、そして何よりもご家族に安心と笑顔を残すために、元気なうちから将来について考え、具体的な行動を始めることが何よりも大切です。松山市の皆様が、未来に希望を持ち、安心して暮らせるよう、私も全力でサポートさせていただきます。
無料相談も実施しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。LINEからもお問い合わせ可能です。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。 ぜひ、無料相談ご活用ください。
