
空き家をDIY賃貸化!管理負担を軽減し、収益を生む活用法
「使っていない実家が空き家になって困っている」
「相続した空き家をどうにか活用したいけど、多額のリフォーム費用や手間は避けたい…」
松山市にお住まいのあなたも、このようなお悩みをお持ちではありませんか?
空き家を放置すると、固定資産税などの維持費がかかるだけでなく、老朽化が進み、倒壊の危険性や不法投棄のリスクも高まります。しかし、多額のリフォーム費用をかけて賃貸に出すのも、管理が大変そうだと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回ご紹介したいのが、「DIY賃貸」という新しい空き家活用法です。
DIY賃貸とは、入居者自身にリフォームの一部をDIYしてもらうことを前提とした賃貸契約のことです。この方法なら、初期費用や管理負担を抑えつつ、空き家を収益物件として有効活用できます。
この記事では、松山市の空き家事情にも触れながら、DIY賃貸のメリット・デメリット、具体的な進め方、そして成功のポイントを行政書士の視点から詳しく解説します。
空き家をDIY賃貸化するメリットとは?
まずは、DIY賃貸がなぜ今注目されているのか、その魅力について見ていきましょう。

空き家を賃貸として活用する魅力
空き家を賃貸物件として活用することは、単なる維持費削減以上のメリットがあります。
- 安定した家賃収入の確保: 空き家が収益を生む資産へと変わり、経済的なメリットを享受できます。
- 資産価値の維持・向上: 定期的な入居者による手入れや、入居者自身が行うDIYによって、空き家の劣化を防ぎ、資産価値を維持・向上させることが期待できます。
- 地域貢献: 空き家が活用されることで、地域の活性化や定住促進にも貢献できます。特に松山市では、移住希望者向けの住宅需要も一定数存在します。
収益を生むDIY型賃貸借の効果
DIY型賃貸借は、通常の賃貸借契約とは異なる独自のメリットがあります。
- 初期費用の大幅な削減: 大規模なリフォームをせずに賃貸に出せるため、オーナー様の初期投資を大きく抑えることができます。
- 入居者の幅広いニーズに対応: 既存の物件では満たせない、入居者の「自分らしい住まい」へのこだわりに応えることができます。
- 長期入居の促進: 入居者自身が手を加えた物件には愛着がわきやすく、結果として長期入居につながる傾向があります。
入居者の自由度とオーナーの負担軽減
DIY賃貸は、入居者とオーナー双方にとってメリットがあります。
- 入居者の自由度が高い: 入居者は自分の好みに合わせて部屋をカスタマイズできるため、一般的な賃貸物件では得られない満足感を得られます。
- オーナーの管理負担軽減: 入居者が自主的に修繕やメンテナンスを行うことで、オーナー様の管理の手間や費用を軽減できます。例えば、電球の交換や簡単な設備の修繕など、通常オーナー様が対応するような軽微なトラブルも入居者が対応してくれるケースがあります。
DIY賃貸に必要な手続きと契約
DIY賃貸を始めるには、通常の賃貸借契約とは異なる点があります。ここでは、契約のポイントと活用できるサービスについて解説します。

賃貸借契約の基本理解
賃貸借契約は、民法や借地借家法に基づき、貸主と借主の権利義務を明確にする重要な書類です。以下の基本事項を理解しておく必要があります。
- 賃料・敷金・礼金: それぞれの金額と支払方法。
- 契約期間: 契約の開始日と終了日。
- 解約に関する事項: 契約解除の条件や通知期間。
- 原状回復義務: 退去時の物件の状態に関する取り決め。DIY賃貸の場合、この原状回復義務がポイントになります。
DIY型賃貸借の特異性
DIY賃貸特有の契約上の注意点は以下の通りです。
- DIYの範囲とルール: どこまでDIYが可能か、どのような工事はNGかなど、具体的に明記します。例えば、構造に関わる部分の変更は禁止、水回りのDIYは要相談など。
- 費用負担: DIYにかかる費用の負担割合(入居者負担、オーナー負担、折半など)を明確にします。
- 原状回復義務の特約: DIYで変更した箇所について、どこまで原状回復を求めるのかを明確にする特約を設けることが重要です。例えば、「DIY部分については原状回復義務を免除する」「DIY部分についても可能な限り原状回復を求める」など、ケースに合わせて設定します。
- 修繕義務: 通常の賃貸借契約における修繕義務(貸主負担)と、DIY部分の修繕(借主負担)の区分を明確にします。
行政書士として、これらの特約を盛り込んだ「DIY型賃貸借契約書」の作成をサポートできます。トラブルを未然に防ぐためにも、専門家による契約書作成が不可欠です。
補助金や活用サービスの紹介
空き家活用やDIYリノベーションには、国や自治体、民間団体が提供する補助金や支援サービスがあります。
- 国の補助金制度: 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」など、リフォーム費用の一部を補助する制度があります。
- 松山市の空き家対策事業: 松山市では、空き家の改修費用や解体費用に関する補助金制度が設けられている場合があります。最新の情報は松山市の公式ウェブサイトで確認するか、当事務所までお問い合わせください。
- 空き家バンク: 自治体が運営する空き家バンクに登録することで、入居希望者とのマッチングを促進できます。
- DIY賃貸専門のマッチングサービス: DIY賃貸に特化した不動産ポータルサイトやマッチングサービスを活用するのも有効です。
失敗しないDIY賃貸リノベーション事例
DIY賃貸を成功させるためには、具体的なリノベーションのイメージを持つことが大切です。
成功事例から学ぶ賃貸物件の改装
成功しているDIY賃貸物件には共通点があります。
- 「未完成」の魅力を残す: あえて手つかずの部分を残し、入居者がDIYできる余白を残すことが、DIY賃貸の成功の鍵です。
- ターゲット層の明確化: どのような層の入居者に住んでもらいたいかを明確にすることで、効率的なDIY計画を立てられます。例えば、若者向けのカフェ風、ファミリー向けの広々とした空間など。
- 最低限のインフラ整備: 水道、電気、ガスなどの基本的なインフラは、オーナー様側でしっかりと整備しておく必要があります。
DIY可能な水回りリノベーションのポイント
水回りのDIYは難易度が高いと思われがちですが、ポイントを押さえれば入居者に任せることも可能です。

- 蛇口やシャワーヘッドの交換: 比較的簡単で、デザイン性の高いものに交換するだけでも印象が変わります。
- 壁紙や床材の張替え: 防水性の高い素材を選べば、キッチンや洗面所の雰囲気を大きく変えられます。
- 収納棚の設置: スパイスラックやタオル掛けなど、簡易的な収納はDIYに適しています。
- プロの介入範囲の明確化: 給排水管の工事など、専門的な知識と技術が必要な部分は、必ず専門業者に依頼することを契約書で明記しましょう。
よくあるトラブルとその対策
DIY賃貸におけるトラブルを避けるためには、事前の対策が重要です。
- 施工不良によるトラブル: DIYの範囲を明確にし、専門業者に依頼すべき箇所を明確にしておくことが重要です。また、入居者によるDIYの進行状況を定期的に確認する機会を設けることも有効です。
- 費用負担に関するトラブル: DIYにかかる費用の負担割合や、原状回復の範囲について、契約書に詳細に明記し、契約締結前に入居者と十分に話し合いましょう。
- 近隣住民とのトラブル: DIYに伴う騒音など、近隣に迷惑をかけないよう、入居者に配慮を促す必要があります。
入居者とのコミュニケーションの重要性
DIY賃貸は、入居者との良好な関係を築くことが成功の鍵となります。

借主負担DIY型賃貸の推奨
DIY賃貸には、オーナー様が費用を負担する「貸主負担DIY型」と、入居者が費用を負担する「借主負担DIY型」があります。管理負担の軽減を考えるなら、「借主負担DIY型」を推奨します。
借主負担DIY型の場合、入居者が自分の費用でリノベーションを行うため、物件への愛着が深まり、退去時の原状回復トラブルも少なくなります。ただし、その分、賃料を相場より低めに設定するなどのインセンティブを検討する必要があるでしょう。
うるさい問題への対策とコミュニケーション術
DIY作業に伴う騒音や、入居者の生活音は、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。
- 事前の説明: 契約時にDIY作業に関する注意点(作業時間、騒音への配慮など)を入居者に説明し、理解を得ておくことが大切です。
- 連絡体制の構築: 緊急時やトラブル発生時に、入居者がオーナー様や管理会社にすぐに連絡できる体制を整えておきましょう。
- 定期的なコミュニケーション: 定期的に連絡を取り、入居者の状況を把握することで、小さなトラブルが大きくなる前に対応できます。
借主と貸主の双方にとっての責任
DIY賃貸は、貸主と借主双方に責任が生じます。
- 貸主の責任: 構造上の問題や、契約書に明記されたオーナー負担の修繕は、貸主が責任をもって行います。
- 借主の責任: DIY部分の管理や、故意・過失による物件の損傷は、借主が責任を負います。
双方の責任範囲を明確にすることで、円滑な賃貸借関係を維持できます。
地域の特性に応じた賃貸物件管理
松山市でDIY賃貸を成功させるには、地域の特性を理解した管理が不可欠です。
地域の需要に応じた空き家活用事例
松山市では、学生や単身赴任者、Uターン・Iターン希望者など、多様な層が住宅を探しています。
- 大学周辺の空き家: 学生向けのDIY賃貸は、低コストで個性的な住まいを求める学生に需要があります。
- 中心部へのアクセスが良い空き家: 都心部で働く単身者や共働き世帯向けの、機能的でシンプルなDIY賃貸が考えられます。
- 郊外の自然豊かな空き家: 地方移住を検討している層に向けて、家庭菜園や広い庭付きのDIY賃貸も魅力的です。
愛媛県松山市の傾向
松山市の賃貸市場は、大学が複数あることや、中心市街地へのアクセスが良いことから、安定した需要が見込まれます。特に、近年は画一的なアパートやマンションではなく、個性的な住まいを求める声が増えています。
当事務所では、松山市内で「認定空き家再生診断士」としての知見を活かし、空き家のポテンシャルを最大限に引き出すDIY賃貸の提案を行っています。地域密着型の行政書士として、地元の不動産情報や入居者のニーズを把握し、お客様の空き家活用をサポートしています。
地域に密着した管理会社の選定
DIY賃貸の場合でも、物件管理の一部を専門会社に委託することで、オーナー様の負担をさらに軽減できます。
- 入居者募集: 不動産会社に依頼することで、幅広い層に物件情報を届けられます。
- 賃料回収代行: 毎月の家賃回収を任せることで、未払いの心配が軽減されます。
- トラブル対応: 入居者からのクレームや設備の故障など、緊急時の対応を任せられます。
松山市内の信頼できる不動産会社や、DIY賃貸の管理実績がある業者を選ぶことが重要です。当事務所では、連携している不動産会社や管理会社の紹介も可能ですので、お気軽にご相談ください。
空き家の価値を最大化するための方法
DIY賃貸は、単なる収益化だけでなく、将来的な資産価値向上にもつながります。

原状回復の重要性とその対応
DIY賃貸における原状回復は、通常の賃貸物件とは異なる考え方が必要です。
- 「原状回復特約」の活用: DIY部分については原状回復義務を免除するなど、特約を設けることで、入居者は自由にDIYに取り組むことができます。これは入居者獲得の大きな魅力となります。
- 退去時のチェックリスト: 退去時に確認すべき項目を事前にリストアップし、入居者と共有しておくことで、トラブルを避けることができます。
- プロによる最終確認: 構造に関わる部分や水回りなど、専門的な知識が必要な箇所は、退去時に専門業者による最終確認を行うことを検討しましょう。
DIY賃貸市場のトレンド分析
DIY賃貸は、近年、若年層を中心に需要が高まっています。
- 「住まいづくり」への意識の高まり: 既成概念にとらわれず、自分らしい住まいを求める傾向が強まっています。
- SNSでの情報共有: DIYのアイデアや施工事例がSNSで活発に共有され、DIYへのハードルが下がっています。
- コロナ禍での在宅時間の増加: 自宅で過ごす時間が増えたことで、住環境への意識が高まり、DIYへの関心も高まりました。
これらのトレンドを把握し、市場のニーズに合ったDIY賃貸を提供することで、安定した入居者確保につながります。
将来の売却を見越した改装の考え方
DIY賃貸として活用した空き家を、将来的に売却する可能性も考慮しておくことが大切です。
- 構造体の維持: DIYで内装は変更しても、建物の構造体には手を加えず、健全な状態を保つことが重要です。
- 汎用性の高いDIY: 個性的すぎるDIYは、将来の買い手を選ぶ可能性があります。ある程度万人受けするデザインや、原状回復しやすい改装を心がけることも検討しましょう。
- リノベーション履歴の記録: DIYの内容や修繕履歴を記録しておくことで、売却時に物件の価値を正確に伝えられます。
DIY賃貸のデメリットを知る
DIY賃貸には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。事前に理解し、対策を立てることが重要です。

発生する可能性のある損傷と修繕費用
入居者によるDIYは、意図しない損傷を引き起こす可能性があります。
- 施工不良による損傷: 入居者のDIY技術によっては、施工不良が発生し、修繕費用がかかる場合があります。
- 予期せぬ設備の故障: DIYとは直接関係なくても、経年劣化などで設備が故障し、オーナー様が修繕費用を負担することもあります。
- 対策: DIYの範囲を明確にすること、重要な設備の定期的な点検、修繕費用の負担割合を契約書で明記することが重要です。
賃貸契約における注意点
通常の賃貸契約とは異なる注意点があります。
- 契約書の詳細な記載: DIYの範囲、原状回復義務、費用負担など、通常の契約書以上に詳細な取り決めが必要です。
- 法的トラブルのリスク: 契約内容が不明確な場合、入居者との間でトラブルに発展する可能性があります。
- 対策: 行政書士など、法律の専門家に相談し、適切な契約書を作成することが最も重要です。
失敗する可能性とその回避策
DIY賃貸で「失敗した」と感じるケースと、その回避策です。
- 入居者が集まらない: 物件の魅力が伝わらない、賃料設定が適切でない、DIYの自由度が低いなどが原因として考えられます。
- 回避策: 入居者のニーズを把握し、物件の魅力を最大限にアピールする、適正な賃料設定を行う、DIYの自由度を高めるなどの工夫が必要です。
- トラブルが頻発する: 入居者とのコミュニケーション不足、契約内容の不明確さが原因となることが多いです。
- 回避策: 定期的なコミュニケーション、明確な契約書の作成、専門家への相談を怠らないことが重要です。
実際の空き家再生を進めるためのステップ
ここまでDIY賃貸のメリット・デメリットを解説してきましたが、いよいよ具体的なステップです。

成功するためのプランニング
まずは、具体的な計画を立てましょう。
- 空き家の現状把握: 建物の状態、設備、立地などを詳細に確認します。必要であれば、専門家による建物診断を受けましょう。
- ターゲット層の選定: どのような層の入居者に住んでもらいたいかを具体的にイメージします。
- DIYの範囲と予算設定: どこまでをDIY可能とするか、オーナー様が負担するリフォーム費用はどの程度にするかを決めます。
- 収支シミュレーション: 家賃収入、維持費用、税金などを計算し、収益性を見込みます。
業者選びと施工のポイント
DIY賃貸の場合でも、プロの力が必要となる場面は多くあります。
- 行政書士: 賃貸借契約書の作成、法的アドバイス。
- 宅地建物取引士(不動産会社): 入居者募集、賃料査定、物件管理。
- 認定空き家再生診断士: 空き家の現状診断、再生プランの提案。
- 工務店・リフォーム会社: 水回りや構造に関わる部分など、専門的な工事。
これらの専門家と連携し、適切な役割分担を行うことで、スムーズに空き家再生を進められます。当事務所では、行政書士、宅地建物取引士、認定空き家再生診断士の資格を持つ専門家として、ワンストップでサポートを提供できます。
初期費用と運営コストの管理法
DIY賃貸は初期費用を抑えられますが、それでも費用は発生します。
- 初期費用: 契約書作成費用、物件の最低限の整備費用(水道、電気、ガスなど)、広告宣伝費など。
- 運営コスト: 固定資産税、都市計画税、火災保険料、修繕積立金(任意)、管理委託費(任意)など。
- 資金計画の策定: これらの費用を事前に把握し、無理のない資金計画を立てましょう。
松山市の空き家活用は、当事務所にお任せください!
空き家のDIY賃貸は、オーナー様の負担を軽減しつつ、収益を生み出す有効な手段です。しかし、その道のりには専門的な知識や手続きが不可欠です。
当事務所の行政書士は、宅地建物取引士、そして認定空き家再生診断士の資格も有しております。そのため、単なる法的手続きだけでなく、不動産のプロフェッショナルとして、そして空き家再生の専門家として、多角的な視点からあなたの空き家活用をサポートできます。
- DIY型賃貸借契約書の作成
- 賃料設定や入居者募集に関するアドバイス
- 空き家の現状診断と再生プランのご提案
- 補助金活用に関する情報提供
- 地域の特性を踏まえた具体的な活用事例のご紹介(松山市内)
松山市で空き家の活用にお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。あなたの空き家が、新たな価値を生み出すお手伝いをさせていただきます。
参考文献
- 国土交通省:DIY型賃貸借