
空き家を民泊に?「始める前に知るべき」メリット・デメリット
「松山市に相続した空き家があるけれど、どう活用したらいいだろう?」

「固定資産税もかかるし、何か新しいことに挑戦して収益化できないか…民泊ってどうなんだろう?」

もしあなたが今、そんなふとした疑問や不安を抱えているなら、この記事がきっとお役に立つはずです。
こんにちは、松山市で空き家活用を専門としている行政書士の村上です。現在、全国的に問題視されている空き家ですが、松山市においてもその数は少なくありません。しかし、この「負動産」ともなりかねない空き家を、新たな価値を生み出す「資産」へと変える可能性を秘めているのが、近年注目を集める「民泊事業」です。
魅力的な収益性や地域貢献といったメリットがある一方で、見過ごせないデメリットも存在します。今回は、松山市で空き家を活用した民泊事業を検討されているあなたのために、分かりやすく、参考になるように解説いたします。
この記事を読めば、民泊事業の全体像がクリアになり、あなたが次のステップへ進むべきかどうかの確かな判断材料となるはずです。
空き家を民泊に!5つの大きなメリット
メリット1:使われていない空き家が「収益物件」に生まれ変わる
民泊事業の最大の魅力は、長年利用されていなかった空き家を、安定した収益を生み出す資産に変えられる可能性を秘めている点です。賃貸住宅よりも短期での貸し出しとなるため、立地や内装、提供するサービス次第では、より高い宿泊単価を設定することも可能です。これにより、空き家にかかる固定資産税や維持費をカバーし、さらには事業として利益を生み出すことも現実的になります。
メリット2:建物の資産価値を維持・向上させられる
空き家は放置すればするほど老朽化が進行し、その資産価値は時間とともに低下していきます。民泊として運用を始めれば、ゲストを迎えるために定期的な清掃や修繕、設備のメンテナンスが不可欠となります。結果として、建物は常に手入れされた状態を保つことができ、劣化を防ぎながら資産価値を維持・向上させる効果が期待できます。必要に応じたリノベーションは、物件そのものの魅力を高め、将来的な選択肢を広げることにもつながります。
メリット3:松山市の地域活性化に貢献し、やりがいを実感できる
民泊は、ホテルや旅館とは一線を画し、より地域に密着したユニークな滞在体験をゲストに提供できます。あなたの民泊に宿泊するゲストが、地元の商店街で買い物をしたり、隠れた名店で食事を楽しんだりすることで、松山市の地域経済に直接的な恩恵をもたらします。ホストとして松山の魅力を発信し、国内外のゲストと交流することは、「自分の活動が地域に貢献している」という大きなやりがいにつながり、新たなコミュニティとのつながりも生まれるでしょう。
メリット4:ライフスタイルに合わせた柔軟な運用が可能
民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づく届出民泊の場合、年間営業日数に180日以内という上限が設けられています。一見すると制約に思えますが、これは同時に「あなたのライフスタイルに合わせた柔軟な運用」を可能にするメリットでもあります。例えば、ご自身が物件を利用したい時期は民泊を休止する、観光のピークシーズンに集中して営業するなど、無理のない範囲で、ご自身のペースで事業を調整できる自由度があります。
メリット5:国の補助金や市の支援を活用し、初期投資を軽減できる
民泊事業の開業には、物件の改修や設備の導入など、まとまった初期費用が必要となります。しかし、松山市では民泊施設の受け入れ環境整備を支援する独自の補助金制度が存在します。さらに、国の小規模事業者持続化補助金や住宅省エネキャンペーンなど、既存建物の改修や設備導入に活用できる可能性のある補助金もあります。これらの公的な支援を上手に活用することで、開業時の金銭的負担を大幅に軽減し、より安心して事業をスタートさせることが可能です。
※補助金制度には受付期間や交付条件がございます。手続きも複雑になりますので、必ず、専門家(行政書士など)にご相談してください。村上行政書士事務所では地域に根差した情報をお伝えいたします。
知っておくべき!民泊事業の5つのデメリット(影の部分)
デメリット1:法規制が複雑で「専門的な知識」が必須
民泊事業を合法的に行うためには、旅館業法、住宅宿泊事業法(民泊新法)、建築基準法、消防法など、多岐にわたる法律の規定をクリアする必要があります。特に、既存の空き家を転用する際には、建物の構造がこれらの法律の求める基準に適合しているか、消防設備は十分か、といった専門的な確認が不可欠です。これらの法的な適合性を判断し、必要な許認可申請手続きを進めるには、専門知識と時間が必要です。自己判断で進めると、後で法律違反が発覚し、事業停止や罰則といった重大なリスクを負うことになりかねません。
デメリット2:近隣住民との「トラブル」発生のリスク
民泊施設には、不特定多数の宿泊者が入れ替わり利用します。そのため、騒音、ゴミ出しのルール違反、喫煙マナー、駐車スペースの問題など、近隣住民の日常生活に影響を与え、トラブルに発展する可能性がつきまといます。事前に周辺住民への丁寧な説明や、ゲストへのハウスルールの徹底、そして万が一トラブルが発生した際の迅速な対応体制を整えることが非常に重要です。近隣からの苦情が続く場合、事業継続が困難になるケースもゼロではありません。
デメリット3:「初期投資」と「見えないランニングコスト」の負担
空き家を活用するとはいえ、民泊施設として快適な空間を提供するためには、適切な初期投資が避けられません。改修費用、家具・家電の購入費、高速インターネット環境の整備費、そして最も重要な消防設備の設置費などが挙げられます。加えて、毎月の光熱水費、消耗品費(アメニティ、リネンなど)、清掃費用、予約サイトへの手数料、そして事業所得に対する税金といった、継続的なランニングコストも発生します。これらの「見えないコスト」を考慮せず収支計画を立てると、予想以上に費用がかさみ、期待する収益を圧迫する可能性があります。空き家の中に残存物が多く残っている場合には処分費用も必要です。松山市での空き家内の荷物処分費用については、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。[空き家の荷物、いくらで処分できる?松山市の処分費用や節約方法]
デメリット4:日々の「運営」と「清掃」にかかる手間と時間
民泊を成功させるためには、ゲストからの問い合わせへの迅速な返信、予約管理、スムーズなチェックイン・チェックアウトの案内、そして最も重要かつ手間のかかる「清掃」と「リネン交換」といった、多岐にわたる日々の運営業務が発生します。これらはゲストの満足度やリピート率、そして口コミ評価に直結するため、非常に丁寧な対応が求められます。ご自身で全てをこなすには相当な時間と労力がかかり、本業やプライベートな時間を圧迫する可能性もあります。プロの管理代行サービスを利用すれば業務負担は軽減されますが、その分の手数料が発生し、利益に影響します。
デメリット5:年間営業日数制限と「稼働率の変動」リスク
民泊新法に基づく届出民泊の場合、年間営業日数が180泊までという制限があるため、ホテルや旅館のように通年でのフル稼働はできません。これにより、期待通りの安定した収益を継続的に得ることが難しい場合があります。また、松山市の観光需要には季節変動があり、閑散期にはゲストの予約が入りにくく、予想よりも稼働率が低下するリスクも考慮に入れる必要があります。効果的な集客戦略と、松山市の観光特性を踏まえた運用計画が不可欠です。
まとめ:空き家民泊事業は「深い理解と周到な準備」が成功の鍵
松山市の空き家を民泊として活用する事業は、眠れる資産に新たな価値を与え、地域に活気をもたらす、非常に大きな可能性を秘めた挑戦です。しかし、その実現には、メリットとデメリットの両方を深く理解し、事前の周到な準備と計画を徹底することが何よりも重要ですし、成功への確かな道筋となります。
- 事業計画の徹底的な検討: 初期費用、ランニングコスト、予想収益はもちろん、ターゲットとするゲスト層や、松山市での競合物件との差別化ポイントなどを具体的に洗い出しましょう。
- 法令遵守への意識: 特に、建築基準法や消防法への適合は、事業の根幹に関わります。専門家と連携し、必要な改修や手続きを怠りなく進めることが必須です。
- 運営体制の明確化: 日々の清掃やゲスト対応、トラブル時の対応を、ご自身で行うのか、それともプロの管理会社に委託するのかを具体的に決め、そのコストも考慮に入れましょう。
- リスクへの備え: 近隣住民との関係構築や、予期せぬトラブル発生時の対応フローを事前に準備しておくことが、安定運営には不可欠です。
「もし、これらメリット・デメリットを理解した上で、具体的に民泊事業を始めてみたいとお考えでしたら、こちらの記事で**【松山市で空き家を使った民泊事業の具体的な始め方】**をさらに詳しく解説していますので、ぜひ次のステップとしてご参照ください。」
さいごに:空き家活用の不安は、松山市の専門家へご相談ください
「民泊事業のメリットは魅力的だけど、デメリットを見るとやっぱり不安…」 「自分の空き家で本当に民泊ができるのか、プロの意見を聞きたい」 「複雑な法律や手続き、何から手をつければいいのか分からない」
もしあなたが今、このようなお悩みを抱えているなら、松山市で空き家活用を専門とする村上行政書士事務所へ、ぜひ一度ご相談ください。
行政書士の仕事は単に手続きを代行するだけではありません。あなたの空き家の現在の状況や、あなたの描く民泊事業のビジョンを丁寧にヒアリングさせていただき、それに基づいて、
- 物件の現地調査から、民泊として運用した場合の法的適合性(建築基準法、消防法など)の初期診断
- 空き家の状態や立地を踏まえた、最適な民泊形態(民泊新法、簡易宿所等)のご提案
- 事業計画の策定におけるアドバイス(収支シミュレーション、リスク分析含む)
- 潜在的な法規制リスクや近隣トラブルのリスク要因を事前に特定し、回避策を共に検討
- 利用可能な補助金に関する情報提供と活用アドバイス
といった、事業を開始する前の「意思決定」と「計画」の段階から、総合的なサポートを提供いたします。
あなたの空き家が、松山市を訪れる人々にとって「忘れられない滞在の拠点」となるよう、共に最適な道筋を見つけ、確かな一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。